築20年の中古住宅はリフォームして何年住める?費用を抑えるコツも

一戸建ての購入では、新築にするか、中古を買ってリフォームするかで迷う方が多いでしょう。特に築20年前後の中古住宅は価格が落ち着き始めるタイミングであり、状態のよい物件を見つけられれば、コストを抑えて理想の住まいを実現できます。

一方で、築年数が経っている分、住める年数やリフォーム費用に対して不安を感じるものです。当記事では、築20年の中古物件をリフォームした場合に何年住めるのか、どれくらいの費用がかかるのかを解説します。

 

1. 築20年の家をリフォームすると何年住める?

築20年の木造一戸建てでも、状態に応じた適切なリフォームを行えば、その後30~40年、場合によっては60年以上住み続けることも可能です。一般的に日本の戸建て住宅の平均寿命は約30年と言われていますが、これは建て替えの平均的な時期を示したもので、物理的な寿命ではありません。木造の中古住宅であっても、丁寧なメンテナンスや補修を重ねれば、80年近く持つとされています。

築20年という節目は、建材や設備の老朽化が進むタイミングであり、リフォームを施して家の寿命を延ばす重要なチャンスと言えます。新耐震基準が適用されている築20年前後の中古住宅なら、構造的な安心感もあり、長期的な居住計画を立てやすいでしょう。

 

2. 築20年の中古住宅を購入してリフォームするメリット

築20年の中古戸建ては、価格の下落や耐震性の確保といった面で魅力があり、リフォームによって自分好みの住まいを実現しやすいというメリットがあります。ここでは、中古住宅を購入してリフォームすることによるメリットを詳しく説明します。

 

2-1. 築20年を過ぎると価格が下がるため購入費を抑えやすい

築20年を過ぎた中古住宅は、建物の資産価値が大きく下がるため、土地価格に近い金額で購入できるケースが多くなります。木造住宅の法定耐用年数は22年とされており、それに近づく築20年前後の物件は、建物の評価額がほぼゼロと見なされるのが一般的です。築10年から20年の間は価格が緩やかに下落しますが、20年を超えると急激に下がり、「底値圏」と言える状態になる場合もあります。

そのため、新築と比べて1,000万~2,000万円ほど安く購入できる可能性があり、修繕費用がかかったとしても、購入費用の総額は新築より割安になることがほとんどです。また、築浅物件よりも自由にリノベーションしやすい点も魅力の1つです。立地や生活環境など、希望条件に合致する場合は、築20年の中古住宅購入によるコスト面のメリットは大きいでしょう。

出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

 

2-2. 住宅ローン控除を利用できる可能性がある

かつては木造住宅なら築20年以内、鉄筋コンクリート造なら築25年以内の物件しか住宅ローン控除の対象にならず、それ以前の物件では耐震基準適合証明書が必要でした。しかし、2022年の法改正により、1982年以降に建築確認を受けた「新耐震基準適合住宅」であれば、築年数にかかわらず住宅ローン控除を受けられます

1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅の場合は、住宅ローン控除を受けるために「耐震基準適合証明書」などの書類が必要です。しかし、築20年前後の中古住宅なら証明書の提出が不要な場合が多く、住宅ローン控除の手続きもスムーズです。

 

2-3. 耐震性能に安心感がある

日本では1981年に新耐震基準が施行され、さらに2000年には地盤調査の事実上の義務化や、耐力壁の配置バランス、筋交いの金物の仕様などが厳格化されました。これにより、2000年6月以降に建築確認を受けた住宅は、現行の耐震基準を満たしていると考えられ、震度6強クラスの地震でも倒壊リスクが低いと言われています

築20年以内の木造住宅であれば、新しい耐震基準に適合している可能性が高く、安心して暮らすことができます。築年数が古い住宅では耐震診断や耐震補強が必要なケースも多く、購入時のコストや手間が増すため、耐震面や耐久性を重視するなら築20年前後の住宅は有力な選択肢と言えるでしょう。

 

2-4. リフォームでライフスタイルに合った空間を実現できる

中古住宅は「古い」「自由度が低い」という印象を持たれがちですが、リフォームやリノベーションを前提に購入すれば、自分たちのライフスタイルに合う理想の空間をつくることが可能です。築年数が経過している分、購入価格を安く抑えられるため、その分の予算を内装や設備のリフォームに充てることができます。

壁紙や床の張り替え、水回りの設備交換だけでも快適性・利便性は向上します。間取り変更を含むリノベーションを行えば、暮らし方にぴったり合う家に生まれ変わるでしょう。注文住宅のようなオーダーメイド性を持ちながらも高額になりすぎない点もメリットです。

 

3. 築20年の家をリフォームする場合にかかる費用相場

築20年の家をリフォームする場合、部位ごとの改修なのか、全面的なフルリフォームなのかによって費用は異なります。ここでは、それぞれのケースにおける費用相場を紹介します。

 

3-1. 部位別の費用相場

築20年の家を部分リフォームする際は、部位や改修範囲によって費用が変わります。たとえば、キッチンや浴室、外壁・屋根などを個別にリフォームする場合、トータルで約300万~800万円が目安です。下記では、代表的な箇所のリフォーム費用相場を部位別に紹介します。

システムキッチンの交換 約80万~150万円
壁付キッチンから対面式へ変更 約150万~300万円
在来工法からユニットバスへの変更 約80万~150万円
壁・天井のクロス張り替え 約8万~15万円
床のフローリング張り替え 約15万~20万円
タンクレストイレの交換 約30万~50万円
洗面化粧台の交換 約20万~50万円
屋根の張り替え 約180万~300万円
外壁の張り替え 約150万~300万円

 

3-2. フルリフォームの費用総額相場

築20年の戸建てを全面的にリフォームする場合、住宅の構造やリフォーム内容、設備のグレードによって総額は違います。間取り変更や水回りの刷新を含むフルリフォームでは、1,000万円以上かかるケースも少なくありません。下記は代表的な相場の目安です。

木造 約30万円/m2~
鉄骨造・RC造 約35万円/m2~

 

4. 築20年の中古住宅を購入してリフォームする費用を抑えるポイント

築20年の一戸建て中古住宅をリフォームする際は、工夫次第で費用を削減することが可能です。ここでは、予算を無理なく抑えつつ、満足度の高い住まいを実現するためのポイントと注意点を紹介します。

 

4-1. リフォーム済み物件は選ばない

リフォーム済みの中古住宅は、見た目が美しくお得に思えるかもしれません。しかし、すでに改修工事が施されている分、建物本体の価格に工事費用が上乗せされており、その内訳が不明確なことも多いため、価格の妥当性を判断しにくい点には注意が必要です。

また、理想の間取りや設備に変更するのに、改修部分を再工事することになれば、結果として費用の無駄につながる恐れもあります。自分好みの住まいにしたい場合は、あえて未改修の物件を選ぶことで、納得の価格で自由にリフォームできるでしょう。

 

4-2. メンテナンス履歴を事前に確認する

築20年の中古住宅を購入する際は、過去にどのようなメンテナンスが行われてきたかを事前に確認しましょう。特に外壁や屋根の塗装、シロアリ防除などは、住宅の寿命や安全性に大きく影響します。築20年間に一度も手入れされていない場合、雨漏り被害や構造材の腐食といった深刻なトラブルが潜んでいる恐れがあります。

一方で、適切なタイミングで修繕や補修が実施されてきた住宅であれば、将来的な追加工事を抑えられ、リフォーム費用も削減することが可能です。購入前には、メンテナンス履歴や点検記録などの修繕状況をチェックし、中古住宅の状態を正しく知ることをおすすめします。

 

4-3. 住宅診断を実施して改修内容を明確にする

購入前に住宅診断(ホームインスペクション)を実施すると、隠れた不具合や修繕の必要箇所を把握できます。住宅診断とは、建築士や専門資格を持つホームインスペクターが建物の劣化状況や構造の安全性、必要な修繕の内容と費用を評価するサービスです。

これにより、目に見えない基礎部分や構造材の傷みなどを事前に確認でき、予想外の追加費用を避けることが可能です。改修の優先順位も明確になるため、無駄のない修繕計画が立てやすく、費用面でも安心感があるでしょう。

 

まとめ

築20年の中古住宅は、新築に比べて購入価格を抑えられる上、リフォームによって自分好みの空間を実現しやすい点が大きな魅力です。適切なリフォームを行えば、その後20~30年、状態によってはさらに長く住み続けることも可能です。

費用はリフォーム方法によって幅がありますが、部分的な改修で約300万~800万円、フルリフォームでは1,000万円以上かかるケースもあります。コストを抑えるには「未改修物件を選ぶ」「メンテナンス履歴を確認する」「住宅診断を活用する」ことがポイントです。将来の安心と満足を得るためにも、住宅の状態とリフォーム計画をしっかり見極めた上で判断しましょう。