築30年の家を前に、「このまま住み続けられるのか」「リフォームと建て替え、どちらが正解なのか」と悩んでいる方は少なくありません。中には、築30年の中古物件の購入を迷っている方もいるでしょう。適切にリフォームや維持管理を行えば、築30年の家でも30~40年は安心して暮らし続けることが可能です。
当記事では、築30年の家をリフォームした場合は何年住めるのか、そのメリットや注意点、リフォーム費用相場について解説します。今の家を生かしながら、自分らしい快適な住まいを手に入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
1. 築30年の家をリフォームすると何年住める?
築30年の物件でも、適切にリフォーム工事を行うことで、30~40年は住み続けることが可能です。木造住宅の構造躯体は、良質な木材を使用して適切な施工が行われていれば、定期的なメンテナンスを重ねることで60~80年以上使用できるとされています。中には100年以上使われ続けている木造建築事例もあるほどです。
ただし、長く快適に住み続けるためには、目に見えない床下や屋根裏、配管や構造材の劣化を見逃さず、必要な修繕を施すことが欠かせません。リフォーム前に住宅診断を受け、状態に応じた改修計画を立てることで、長寿命で安心な家を実現できるでしょう。
2. 築30年の家をリフォームするメリット
築30年の家をリフォームすると、費用を抑えながら住み慣れた家を快適に再生できます。ここでは、建て替えとは異なる住宅リフォームならではのメリットを紹介します。
2-1. 建て替えより費用を抑えられる
リフォームは建て替えよりもコストを抑えながら、家の快適性や機能性が向上するため、限られた予算でも自分に合う住環境を実現できる点がメリットです。建て替えは解体費用や新築工事に多額の費用がかかりますが、リフォームなら既存の基礎や構造を生かすため、全体のコストを削減できます。
たとえ大規模なフルリノベーションでも、新築より安く済むケースもあります。また、使用頻度の低い2階部分は最低限の改修にとどめたり、工事を数年に分けて進めたりすると、修繕費用のやりくりもしやすくなるでしょう。
2-2. 再建築不可やセットバックが必要な土地でも対応できる
再建築不可やセットバックが必要な土地でも、リフォームなら現状の建物を生かして住み続けられ、立地条件を変えずに建物の面積も維持できます。築年数が経過した家の中には、建築当初は問題なかったものの、法改正や周辺環境の変化によって「再建築不可」となるケースもあります。建物を一度解体すると再建築ができなくなりますが、既存の構造を残すリフォームであれば改修が可能です。
また、接道義務を満たさない土地では建て替え時にセットバックが必要になり、建物の面積が狭くなってしまいます。その点、リフォームならセットバックが求められず、現在の広さを維持したまま住環境を改善できます。
2-3. 思い出の詰まった住まいを生かせる
リフォームなら、家族で築いてきた思い出を残しつつ、住まいを快適にアップデートできます。長年住み続けてきた家には、日々の生活の記憶や家族の歴史が刻まれています。子どもの成長記録が残る柱や、慣れ親しんだ間取りの一部など、リフォームでは思い出の詰まった部分を残しながら、生活スタイルに合わせた機能やデザインを取り入れることが可能です。
過去の面影を生かしながら外観も整えれば、実家や故郷としてのぬくもりをそのまま継承できます。愛着のある空間に手を加え、新たな暮らしに寄り添う住まいに再生できるのが、リフォームの魅力です。
2-4. 必要な部分だけを改善できる
リフォームには、気になる部分だけを重点的に改修できるため、コストや工期を抑えつつ家の不満や劣化箇所に的確に対応できる柔軟性もあります。築30年を過ぎると、設備の老朽化や生活動線の不便さ、デザインの古さなど、さまざまな課題が現れます。
リフォームでは、水回りの入れ替えや間取りの変更、最新のデザインへの刷新など、必要な部分を選んで改善することが可能です。全面的な建て替えと比べて工期が短く、フルリフォームでも1~2か月前後で済むケースが多いため、仮住まいの期間や費用を抑えることにもつながります。
3. 築30年の家をリフォームする場合の注意点
築30年の家をリフォームする際は、費用や建物の劣化状況、間取り変更の制限などに注意が必要です。ここでは、リフォーム前に知っておきたい主な注意点を解説します。
3-1. リフォーム費用が建て替えと同程度になることがある
リフォームはコストを抑えられると思われがちですが、家の状態やリフォーム内容によっては建て替えと同等の費用がかかる場合もあります。たとえば、雨漏りによる木部の腐食やシロアリ被害など、構造部分の劣化が進んでいる場合は、骨組みや基礎まで修繕する大規模な工事になります。
また、屋根や外壁のメンテナンスを長年行っていない住宅では、思わぬ追加工事が発生することもあるため注意が必要です。リフォームを検討する際は、施工会社にしっかり現地調査を行ってもらい、リフォームと建て替え両方の見積価格を出してもらうのがポイントです。
3-2. 見えない部分の劣化を見逃す可能性がある
築30年を超える家は、床下・天井裏・壁の内部など、見えない場所で劣化が進んでいることが少なくありません。水漏れによる木材の腐食や、老朽化した電気配線などは、放置すると建物の耐久性や安全性に影響します。
リフォーム計画を立てる際、見えない場所の劣化を見逃すと、本来必要なはずの補修が行われず、家の寿命を縮める結果になりかねません。実績のあるリフォーム会社に現地調査を依頼し、建物全体の状態を的確に把握した上で適切な改修計画を立てましょう。
3-3. 間取り変更の自由度に制限がある
フルリフォームでは、既存の骨組みや基礎を生かしてレイアウトを変えるため、建て替えに比べて設計の自由度が制限されます。たとえば、RC(鉄筋コンクリート)造の壁式構造では、構造壁を取り除けないため、大きな空間を確保できません。
自由度の高いとされる木造軸組工法でも、通し柱や筋交いなど建物を支える重要な部材は移動できず、大幅な間取り変更には限界があります。制限を逆手に取り、構造を生かしたデザインにする工夫も可能ですが、新築のような完全な自由設計は難しいことは念頭に置く必要があります。
4. 築30年の家をリフォームする場合の費用目安
築30年の家をリフォームする際は、改修する範囲によって費用が異なります。ここでは、部分リフォームとフルリフォームそれぞれの費用相場について説明します。
4-1. 部分別の費用相場
築30年の家の部分リフォームでは、改修する場所や工事の内容によって費用は変わります。たとえば、キッチンの交換は約80万~150万円、浴室は内容に寄って約80万~350万円、外壁塗装は約50万~100万円が目安です。ここでは代表的な箇所ごとの費用相場を一覧で紹介します。なお、設備のグレードや工法によって費用は変動します。
システムキッチンの交換 | 約80万~150万円 |
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壁付キッチンから対面式へ変更 | 約150万~300万円 |
在来工法からユニットバスへの変更 | 約80万~150万円 |
壁・天井のクロス張り替え | 約8万~15万円 |
床のフローリング張り替え | 約50万~80万円 |
屋根の張り替え | 約180万~300万円 |
外壁の張り替え | 約150万~300万円 |
4-2. フルリフォームの費用相場
築30年の戸建てをフルリフォームする場合、内装・設備・間取りなどを一新する大規模な工事となるため、工事費用は約500万~2,000万円が相場です。住宅の構造や使用する建材のグレードによっても違います。以下に構造別の目安を示します。
木造 | 約30万円/m2~ |
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鉄骨造・RC造 | 約35万円/m2~ |
こだわりのデザインや断熱・耐震性能を強化する場合は、さらに費用が上がることもあるため、事前の診断と詳細な見積もりを確認した上で判断しましょう。
まとめ
築30年の家でも、リフォームによってさらに30~40年は快適に住み続けることが可能です。建て替えよりも費用を抑えやすく、思い出の詰まった家を生かしながら、自分らしい住環境を整えられる点がリフォームの魅力です。
ただし、構造の劣化や間取り変更の制限など、事前に把握すべき注意点もあるため、信頼できる業者による現地調査と見積もり比較が欠かせません。部分リフォームとフルリフォームでは費用相場も異なるため、自身の希望や予算に応じた修繕計画を立てましょう。


