クローゼットのリフォームの種類は?費用相場や注意点も紹介

自宅の収納設備を見直した際に、クローゼットのリフォームに関心を持つ方は少なくないでしょう。クローゼットには壁面クローゼット・ウォークインクローゼットの2タイプがあり、扉の種類も豊富にあるためリフォームにはさまざまな選択肢があります。

この記事ではクローゼットの種類などの基本情報に加え、リフォーム工事の種類ごとの費用相場や工事内容などを詳しく解説します。クローゼットのリフォームを検討中の方は、ぜひお役立てください。

 

1.リフォーム前に知っておきたいクローゼットの基礎知識

そもそもクローゼットとは、洋室に設置する衣類や小物の収納スペースです。クローゼットの内部には、ハンガーパイプ・引き出し・棚などを収納する荷物に応じて設置します。

 

1-1.クローゼットの種類

リフォームで設置するクローゼットの主な種類は、以下2つです。

壁面クローゼット 壁面クローゼットは、壁に沿って45〜60cm程度の奥行きで設置するクローゼットです。壁面クローゼットは省スペースで設置できる反面、大きな荷物の収納には適しません。
ウォークインクローゼット ウォークインクローゼットは、内部を歩けるサイズで設計するクローゼットです。ウォークインクローゼットには荷物を出し入れしやすいメリットがある反面、リフォーム費用はかさむ傾向があります。

いずれの種類も一長一短であるため、理想とする住まいの形に合わせて適したものを選択しましょう。

 

1-2.クローゼットの扉の種類

クローゼットの扉の主な種類は、以下5つです。

折れ戸 折れ戸とは、持ち手を手前に引いて開閉する扉です。折れ戸をすべて開けると中身を一望でき、収納しているものの場所を把握しやすいメリットがあります。
引き戸 引き戸とは、押入れでよく見られるように横にスライドさせることで開閉する扉です。引き戸には、扉の前に家具がある環境でも開閉できる・子供や高齢者も扱いやすいなどのメリットがあります。
開き戸 開き戸とは、部屋のドア同様に手前に引いて開閉する扉です。開き戸はウォークインクローゼットでよく見られる種類にあたり、荷物の場所を把握しやすいメリットがあります。
鏡張り 鏡張りとは、扉の一部もしくは全体に鏡を貼って仕上げ、姿見として活用するタイプの扉です。折れ戸の場合は一般的に扉の前面、開き戸の場合は一般的に裏面へと鏡を貼ります。
扉なし 扉の開閉スペースを確保しにくい場合や開放感を重視する場合は、あえて扉をつけない方法も一案です。扉なしのクローゼットにお気に入りの服や雑貨を飾ると、「見せる収納」としても活用できます。

クローゼットの扉の中には木目調など、デザイン性の高いものもあります。人が集まる空間のクローゼットをリフォームする際には好みのデザインの扉を探し、インテリアとのコーディネートを楽しむこともよいでしょう。

 

2.【種類別】クローゼットのリフォーム費用相場

クローゼットのリフォーム費用は、作業内容に応じて変化します。リフォーム費用の相場を作業別に知ることで、機能的なクローゼットを設置するためのコストを把握しましょう。

 

2-1.ハンガーパイプの取付け

ハンガーパイプを業者に取付けてもらう場合の費用は、1万〜5万円程度が相場です。リフォーム工事は多くの場合、1日以内で終了します。

クローゼットの収納力を高めるためには、ハンガーパイプを上下2段に取付ける方法が選択肢の1つです。子供部屋のクローゼットのハンガーパイプは、やや低い位置に取付けると便利でしょう。

 

2-2.棚の取付け

クローゼットに棚を取付けてもらう場合の費用は、1つの棚に対して1万〜5万円程度が相場です。ハンガーパイプの取付け同様にリフォーム工事は通常、1日以内に終了します。

ハンガーパイプの上部に棚を取付けると、クローゼットの収納力を大幅に高めることが可能です。ウォークインクローゼットの内部には可動式の棚を取付けると、帽子・バッグなどを整理して収納できます。

 

2-3.扉の交換

クローゼットの扉を交換する際の費用は、5万〜15万円程度が相場です。ただし、費用の相場は、扉の本体価格に応じて変化します。費用を抑えて扉を交換したい場合は比較的本体価格が安い、折れ戸へのリフォームを検討しましょう。

クローゼットの扉を鏡張りにしたい場合は、鏡を貼る手間の分、費用の相場は高くなります。鏡張り扉に交換する場合の費用は、20万円程度が目安です。

 

2-4.湿気対策

クローゼット内部にこもる湿気は、カビを発生させる原因です。リフォーム時の工夫によって湿気対策を行いたい場合は、内装を調湿壁材に交換しましょう。湿気対策の費用相場は壁材のグレードに応じて変化するものの多くの場合、3万〜10万円程度かかります。湿気対策の工事期間は、1〜2日程度が目安です。

よりコストを抑えて湿気対策を行いたい場合は、換気扇を取付ける方法があります。クローゼットの壁に穴を開けて換気扇を取付ける場合の費用は、数万円程度が相場です。

 

2-5.クローゼットの拡張・ウォークインクローゼットに変更

既存のクローゼットのサイズ不足を解消するためには、拡張リフォームする方法があります。壁面クローゼットを拡張リフォームしてウォークインクローゼットに変更する場合の費用は、20万~100万円程度が相場です。

空き部屋がある場合はウォークインクローゼットに変更するリフォームを行うと、より低いコストで豊富な収納スペースを確保できる可能性があります。たとえば、和室の一部に棚を取付けてウォークインクローゼットに変更する場合の費用は、25万〜50万円程度が目安です。

 

2-6.押し入れからクローゼットに変更

押し入れを壁面クローゼットに変更する際には襖(ふすま)や中段を撤去した上で必要な設備を設置し、内装を一新するリフォームが必要です。押し入れを壁面クローゼットに変更するリフォームには多くの場合、10万〜40万円程度の費用がかかります。

押し入れを壁面クローゼットへ変更するにあたって床の補強工事が必要になる場合には、相場以上の費用が必要です。古い自宅の押し入れをリフォームしたい場合は専門業者に床の強度を確認してもらい、補強工事が必要かを把握した上で検討すると安心でしょう。

 

2-7.クローゼットの新設

壁面クローゼットを新設する場合の費用は、10万〜45万円程度が相場です。ウォークインクローゼットを新設する場合には、20万〜80万円程度の費用がかかる可能性もあります。いずれを新設する場合もリフォーム工事期間は、2〜7日程度が目安です。

ただし、ウォークインクローゼットを新設するリフォームは大掛かりな作業を要することから通常、自宅の間取り変更や全体的なリノベーションを行うタイミングで検討します。その場合は他の工事との兼ね合いで、費用相場が変化することに注意しましょう。

 

3.クローゼットをリフォームする際の注意点

最適なクローゼットの種類や内装は、家族の生活スタイルに応じて異なります。クローゼットのリフォームで後悔するリスクを軽減するためには、以下の点に注意しましょう。

  • クローゼットのサイズは荷物の量に合わせる
  • 生活動線を意識して設置場所を検討する
  • 無理なDIYに挑戦しない

住まいに適したクローゼットのサイズが分からない場合は収納する荷物の量を具体的にイメージした上、必要な奥行きや高さを決めることがおすすめです。ウォークインクローゼットを新設する場合は生活動線を意識し、どこに設置すれば便利かを考えましょう。たとえば、寝室につながる場所にウォークインクローゼットを設置すると、起床後の行動がスムーズです。

DIYで行えるクローゼットのリフォームには、限界があります。DIYの失敗後に専門業者に依頼すると費用がかさむケースもあるため、希望通りの仕上がりを目指すためには、プロに相談することがおすすめです。

 

まとめ

クローゼットのリフォームは、パイプや棚の取付けなど10万円以内で済むものもあれば、拡張やウォークインクローゼットへの変更など数十万円の予算を見積もる必要があるものもあります。

リフォームを行う際は、収納する荷物の量に合わせた方法を選ぶ他、生活動線や他の扉の位置などを考慮することが大切です。また、簡単なリフォームであればDIYできることもありますが、より安心に長く使えるクローゼットにしたい場合はプロの業者に依頼することがおすすめです。