床・フローリングリフォームの目安は?費用やタイミングを解説

床・フローリングをリフォームしたいと考えている方の中には、費用はどれぐらいかかるものなのか、どのタイミングでリフォームするべきなのか、といったことに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。リフォームといっても、床には複合フローリング・無垢フローリング・クッションフロアなど、さまざまな種類の素材があり、同じ素材であっても施工方法によって費用が変わります。

この記事では、リフォームにかかる費用やリフォームを行う際の注意点について、分かりやすく紹介します。

 

1.床・フローリングリフォームの基礎知識

床とは、建物内の下にある面部分のことです。床の仕上げには、床材(床仕上げ材)が使われています。床材の中でも、木質系の仕上げ材が施されたものがフローリングです。

フローリングの耐久性は高いものの、経年劣化は避けられません。また、何か物を落としてしまった場合など、床に傷が一度付いてしまうと消えることは基本的にありません。きれいにしたい場合は、フローリングを張り替えるリフォームが必要となります。

床をリフォームする際には、主に張り替えと重ね張りの2種類があります。

張り替え工法 現在張ってあるフローリングを剥がし、新しいフローリングを張る工法
重ね張り工法 現在張ってあるフローリングの上に、新しいフローリング材を重ねて張る工法

 

2.【床材別】床・フローリングリフォームの費用相場

一口に「床のリフォーム」と言っても、使用している床材によって、リフォームにかかる費用は異なります。以下では、床材別に床やフローリングリフォームの費用相場を紹介します。

 

2-1.複合フローリング

複合フローリングは、集成材・合板を基材に、木目などを印刷した化粧シートや薄くスライスした木材(突き板)を表面に張った床材です。全体の厚さはおおよそ12mm程度であり、一般的な住宅に多く使用されています。

複合フローリングのリフォーム相場は以下の通りです。

工事内容 費用相場
張り替え工法 約0.8万~1.6万円/1平方メートル
重ね張り工法 約0.5万~1.3万円/1平方メートル

※フローリングから、フローリングへの張り替えを想定

複合フローリングは床材の中でも安価で、リフォームしやすい床材と言えます。木材の種類や厚み、仕上げ方・性能などによっても価格は変動します。

基材の合板は熱や乾燥による影響を受けにくく、反りや狂いが生じにくい点が特徴です。機能性に優れた製品も多く、たとえば防音対応の製品や傷がつきにくい加工を施したものなどがあります。一方で表面に施された樹脂系の塗装が厚く、吸湿性が劣ること、経年劣化で表面の塗膜が剥げてしまうリスク、木の自然な感触や見た目に劣る点などがデメリットです。

 

2-2.無垢フローリング

無垢フローリングは、一本の木から切り出された板をそのまま床材として使用し、木の自然な風合いや質感を生かした床材です。木材がそのまま使われているため、木の種類や木目、節の有無によって外観が異なり、木材それぞれの個性が出ます。

無垢フローリングのリフォーム相場は以下の通りです。

工事内容 費用相場
張り替え工法 約1.1万~1.8万円/1平方メートル
重ね張り工法 約0.8万~1.6万円/1平方メートル

※フローリングから、フローリングへの張り替えを想定

木材には湿気に応じて水分を吸収・放出する調湿作用があります。熱伝導率が低く、冬場も足元が暖かいのが特徴です。また、無垢材は揮発性有機化合物の影響を受けにくいため、シックハウス症候群などのリスクが少ないとされるのも魅力です。

一方で無垢材は水分に弱く、傷がつきやすい特徴があります。よって、定期的なメンテナンスが必要になります。また、複合フローリングに比べて価格が高く、初期費用やメンテナンス費用の考慮も必要です。

 

2-3.クッションフロア

クッションフロアは、柔軟性とクッション性を持つ床材です。主に塩化ビニル系の素材で作られています。タイル調、木目調など多様な模様がプリントされており、凹凸加工によってリアルな質感が表現されているのが特徴です。裏面は通常、不織布で仕上げられています。

クッションフロアのリフォーム相場は以下の通りです。

工事内容 費用相場
張り替え工法 約0.5万~1万円/1平方メートル
重ね張り工法 約0.3万~0.8万円/1平方メートル

※フローリングから、クッションフロアへの張り替えを想定

リフォーム業者に依頼する場合、張り替え料金は6畳で約3万~4万円以上になることが一般的です。リフォームが容易であり、材料費と工事費が比較的安価であるため、予算に配慮したリフォームを考えている方に適しています。特に、子ども部屋など将来的にリフォームする可能性がある場所に利用されることが多くあります。

 

2-4.フロアタイル

フロアタイルは、ポリ塩化ビニルで作られたタイル状の床材です。本物の木材や石材のような高いデザイン性があり、リフォームやリノベーションの際にも人気があります。

フロアタイルのリフォーム相場は以下の通りです。

工事内容 費用相場
張り替え工法 約0.7万~1.8万円/1平方メートル
重ね張り工法 約0.4万~1万円/1平方メートル

※フローリングから、フロアタイルへの張り替えを想定

ホームセンターやインターネット通販サイトなどで購入・DIYする場合、材料費だけで考えると、1平方メートルあたり3,000円~5,000円程度で済みます。また、粘着剤付きのタイプを選べば、接着剤や両面テープなどの工具は不要です。しかし、広い部屋では床に貼るタイルの数が多くなるため、全面張り替えには半日から1日程度かかることがあります。

 

2-5.カーペット

カーペットは、ウール、アクリル、ナイロンなどさまざまな素材で作られる床材、床用敷物です。ウールなどの天然素材を用いたものや毛足の長いタイプは、高級感を演出し、室内の雰囲気を向上させる効果があります。また、カーペットは防音効果が高く、耐火性に優れているものもあります。冬場の保温効果や衝撃吸収性も高いため、多くの住宅で利用されています。

カーペットの張り替え相場は以下の通りです。

工事内容 費用相場
張り替え工法 約0.4万~0.8万円/1平方メートル
重ね張り工法 約0.3万~0.5万円/1平方メートル

※カーペットから、 カーペットへの張り替えを想定

リフォーム時の諸経費としては、既存のカーペットの撤去費用が約1万円〜かかることが一般的です。また、大型家具の移動や業者の交通費・駐車代などの経費も加算されるため、全体的な費用はこれらを含めて計算する必要があります。

 

2-6.畳

畳は、イグサで織られた「畳表(たたみおもて)」を「畳床(たたみどこ)」に縫い付けて作られる伝統的な日本の床材です。畳床は藁(わら)や木質繊維を圧縮して作られたボード状のもので、畳表は裏表両方を使用できます。畳の張り替えには主に「裏返し(表面が古くなった畳の裏面を上にして再利用する方法)」、「表替え(畳表のみを新しく交換する方法)」、「新調(新畳:畳全体の交換)」の3種類の方法があります。

畳の張り替え相場は以下の通りです。

工事内容 費用相場
裏返し 約2,000円~5,000円/一畳
表替え 約5,000円~4万円/一畳
新畳 約1万円~5万円/一畳

※畳から、 畳への張り替えを想定

畳表や畳床のグレードによって価格が異なるため、選ぶ畳によって費用が変動します。また、戸建て用やマンション用など、畳の種類でも価格が変わることがあるので、念頭に置いておきましょう。

 

3.床・フローリングリフォームのタイミング

床材のリフォームを行うべきタイミングは、床材によって異なるものの、10年前後と言われています。その中でも、フローリングのリフォームが必要となる時期は、そのほかの床材に比べると長く、10〜15年ほどです。しかし、年数にかかわらず、下記のような状態になった場合は、リフォームを早めに検討しましょう。

  • 家族構成や、ライフスタイルが変化するとき
  • 部屋のインテリアを変える場合や、模様替えを行うとき
  • 家具を買い替えた際に、床のキズや色褪せが目立ってきたと感じたとき
  • 床の汚れがどうしても落ちないとき
  • 床を踏んだときに、ぷかぷかと少し浮いたような状態のとき

親との同居を始めたり、子どもが生まれたり、ひとり立ちしたりなどライフステージの変化がある際に、住み心地が良くなるように床のリフォームを実施する場合も多くあります。

 

4.床・フローリングのリフォームは自分でできる?

自分でリフォームを実施することは可能です。自分でリフォームを実施するとなると、リフォームに必要な材料を揃える必要がありますが、業者に頼むよりも安価で済ませられます。

しかし、床材を自分たちだけで張り替える作業は難しいため、プロのようにきれいな見た目に仕上げるのは至難の業です。また、床を張り替えで剥がした際に、床の下地部分が傷んでいると判明した場合、下地部分は素人で修繕を行うことは困難です。自分でリフォームをしようと思ったものの、難易度が高く、結局途中で業者に頼むといったケースも多々あります。長く安心して生活したいと思っている場合は、初めからプロの業者に依頼するのが良いでしょう。

 

5.床・フローリングのリフォーム業者を選ぶポイント

床・フローリングのリフォームを行っている業者は多いですが、実際にどの業者を選べば良いのか、悩む人も多いでしょう。ここでは、床の張り替えリフォームをどの業者に頼むかを選ぶ際に、押さえておくと良いポイントを4つ解説します。

 

5-1.希望する工事の実績

工事の実績が多い業者は、その分経験値や技術力、サービス力も高い傾向があります。また、現場で急遽発生したトラブルへの対処も実績があるほど慣れています。細かい部分の調整や対応も丁寧に行ってくれるので、仕上がりも期待できるでしょう。

今までの施工例を見せてもらうことで、どのような仕上がりになるのか、イメージを把握できます。「完成を見たら、想像と違った」といった状況も発生しにくいのがメリットです。あらかじめ、Webサイトの施工事例やブログなども確認しておきましょう、

 

5-2.アフターサービスや保証の充実度

アフターサービスや保証の充実度も、リフォーム業者を選ぶ上で大切なポイントです。施工後の不具合やトラブルなどに対して、迅速に対応してくれる業者、保証期間がある程度長い業者、サポート体制がしっかりとしている業者は、優良な業者である可能性が高いでしょう。

以下の観点を事前にチェックしておくことがおすすめです。

  • 保証内容は具体的か
  • 保証期間は短期間ではないか
  • 定期的にメンテナンスを実施してくれるオプションがあるか
  • 不具合があった際の連絡先が分かりやすいか

 

5-3.問い合わせ・見積もり時の対応のよさ

問い合わせをしたときや、見積もりをお願いした際の対応の良さも、業者を選ぶポイントの1つです。

気になる点や疑問点などの質問に、丁寧かつ迅速に回答してくれる業者ほど、信頼性が高いと言えます。見積もりも詳細で分かりやすくなっているか、顧客の要望をしっかりと聞き入れ、ニーズや予算に合わせた提案を行ってくれるかといった姿勢も大切です。特に見積もりでは、床材、施工方法、保証内容やアフターサービスといった詳細項目が明確かどうかを確認しましょう。見積価格とサービス内容に大きなズレがなければ問題ありません。

リフォームを行う前の段階で、業者に対して不安を覚えることなく、この会社に任せたいと思える対応をしてくれるかどうかが大切です。

 

5-4.専門家が在籍しているかどうか

デザインコンテストを多数受賞したリノベーションプランナーがいる会社など、リフォーム・リノベーションに明るい専門家が在籍している業者を選ぶのもおすすめです。

自分たちの自宅やライフステージを相談しながら、より良い提案を受けられます。また、床の材質の選定から施工方法、メンテナンスのアドバイスまで、専門的な観点から助言を多くもらえるでしょう。

 

6.床・フローリングをリフォームする際の注意点

フローリングの張り替えを行うと決めてから、実際に取り掛かる前に注意しておくべきポイントが3点あります。大きなトラブルに発展するのを避けるためにも、事前に確認しておきましょう。

 

6-1.マンション・賃貸住宅の場合は規約に沿った工事を行う

床やフローリングのリフォームを、マンションやアパートなどの集合住宅、賃貸住宅で実施する場合、建物の規約に沿った工事を行わなければなりません。集合住宅では、防音性や重量制限といった、ほかの住人への影響を考慮した規定が設けられていることが多くあります。たとえば、フローリング材が遮音等級基準を満たしているかなどが挙げられます。規約に違反してリフォームをすると、近隣住民とのトラブルに発展したり、賃貸契約が解除されたりするリスクもゼロではありません。

集合住宅でリフォームを行う際は、事前に管理組合や大家、不動産管理会社などに確認し、必要な許可を得ることが重要です。規約に基づく工事内容の把握、防音や安全性を考慮した材質選定など、一定の専門的知識が求められるため、経験豊富なリフォーム業者に相談してみましょう。

また、リフォーム工事が始まる前に、ご近所の方に挨拶をし、工事期間を伝えておけば、近隣トラブルが発生しにくくなります。

 

6-2.床材・施工方法ごとにメリット・デメリットがある

床・フローリングのリフォームを検討する際、選択する床材と施工方法にはそれぞれメリットとデメリットが存在します。

【例】

天然木材(無垢材)

温かみのある質感と高級感が魅力ですが、費用が高く、水濡れや傷に弱い点がデメリットです。

ラミネートフローリング

耐久性が高くメンテナンスが簡単で、費用を抑えられます。一方で、天然木に比べると質感が少し劣るように感じる人もいます。

施工方法においても、張り替え工法は、古いフローリングをすべて撤去し、新しい材料を使用します。下地の状態を確認できることや、床の高さが変わらないことがメリットです。ただし、撤去には工費と時間がかかるというデメリットがあります。一方、重ね張り工法は、古い材料の上に新しいフローリングを張ります。工事が簡単で費用を抑えやすい点が利点ですが、床の水平がとりにくいところや隠れた問題を見逃すリスク、フローリングの厚みによる高さの変化が欠点です。

床材にも、施工方法にも、それぞれにメリット・デメリットがあるため、まずは特性を理解し、住まいの環境や予算、使用状況に合った最適な選択をすることが大切です。

 

6-3.場所やライフスタイルに合うか十分に検討する

床・フローリングのリフォームを行う際に、リフォームする場所やライフスタイルに合った選択をすることも大切です。たとえば、家族構成や生活スタイルによっては、見た目よりも耐久性やメンテナンスの容易さが最優先となる場合もあるでしょう。

【例】

小さな子どもやペットがいる家庭

基本的には、傷がつきにくく、掃除しやすい素材が適しているでしょう。

キッチンやバスルームなど水回りの近くの床リフォーム

水に強い床材を選択しましょう。

リビングや寝室など長時間過ごす場所

肌触りが良く、断熱性や防音性に優れた素材が望ましいです。部屋のサイズや光の入り方、家具との調和も考慮する必要があるでしょう。

※あくまで1つの例であり、価値観は家族それぞれによって異なります

リフォームは単に見た目を良くするだけでなく、生活の質を向上させる機会でもあります。予算の範囲で、自分にとっての優先順位を1つずつ決めてみてください。

 

まとめ

床のリフォームには、さまざまな床材と施工方法があります。フローリングも、複合フローリングと無垢フローリングで、リフォームの予算が異なるので、まずはお近くの工務店やハウスメーカー、リフォーム専門店などに相談してみるのがおすすめです。

その際、リフォーム業者によっても仕上がりが変わってきます。まずは相見積もりをして、安心して任せられる業者にお願いすることが大切です。和泉市でのリノベーション・リフォームは、ぜひan cubeにお任せください。