「耐震等級4」の住宅とは?1~3との違いや耐震等級の調べ方も解説

住宅購入やリフォームを検討する中で、「耐震等級4」という言葉を目にし、どのような基準なのか不安に感じた方もいるでしょう。耐震等級は1~3までと聞いていたのに「4」と表示されると、より安全なのか、それとも誇張なのか判断に迷うこともあります。

当記事では、耐震等級4が公的に存在するのかという基本知識や、耐震等級1~3の違い、耐震等級4相当とされる家づくりの考え方、現状の耐震等級の調べ方を解説します。正しい知識を身につけ、納得感のある住まい選びにつなげましょう。

 

1.耐震等級4の住宅とは

「耐震等級4」とは、建築基準法で定められた正式な耐震等級ではなく、耐震等級3を上回る高い地震対策を施した住宅を指す、主に広告上の表現です。耐震等級は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく住宅性能表示制度で定められており、正式な等級は耐震等級1から耐震等級3までが上限とされています。そのため、耐震等級4という区分は制度上存在せず、公的な第三者機関が認定するものでもありません。

では、なぜ耐震等級4という言葉が使われるのかというと、主にハウスメーカーなどが「耐震等級3で求められる基準より、さらに高いレベルの耐震対策を行っている住宅」であることを分かりやすく伝えるためです。近年の大地震の頻発や、太陽光パネル・高性能断熱材などによる建物重量の増加を背景に、耐震等級3でも不安を感じる人が増え、より高い安全性を求めるニーズが高まりました。

その結果、「最高等級のさらに上」を示す表現として耐震等級4や耐震等級4相当という呼び方が広まっています。ただし、その内容や基準は各社独自である点には注意が必要です。

 

2.耐震等級1~3の違い

住宅の耐震性能は、耐震等級1から3までの3段階で示されています。数字が大きくなるほど耐震性は高くなりますが、それぞれ想定される地震の規模や建物の安全性には違いがあります。ここでは、耐震等級1~3の基準や特徴を解説します。

 

2-1.耐震等級1

耐震等級1は、住宅の耐震性能における最低限の基準であり、住宅性能表示制度では最も基本となる等級です。新築住宅は、原則として耐震等級1を満たしていなければ建てることができません。

具体的には、数百年に一度程度発生するとされる大地震に対して構造躯体が倒壊・崩壊しないこと、また数十年に一度程度の地震に対して構造躯体に著しい損傷が生じないことが基準とされています。東京を想定した場合、前者は震度6強~7相当、後者は震度5強相当の揺れに耐える水準です。

ただし、耐震等級1は「倒壊しない」ことを重視した基準であり、地震後の建物の損傷を完全に防ぐわけではありません。被害状況によっては補修が必要になったり、大きな損傷が生じた場合には建て替えが必要になったりする可能性もあります。

 

2-2.耐震等級2

耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の地震力に耐えられる性能を持つ住宅を示します。耐震等級1よりも一段階高い安全性が確保されており、学校や病院など、災害時に一定の役割を担う公共施設に求められる水準です。

基準としては、数百年に一度程度発生する大地震に対して耐震等級1で想定される地震力の1.25倍の力でも倒壊・崩壊しないこと、さらに数十年に一度程度の地震についても1.25倍の力に対して構造躯体に損傷を生じないことが求められます。東京を想定すると、震度6強~7相当、震度5強相当の揺れを基準に、より余裕を持たせた設計です。

耐震等級2の住宅は、地震後の損傷を抑えやすく、継続して住める可能性が高まります。安全性とコストのバランスを考えた選択肢として検討されることも多い等級です。

 

2-3.耐震等級3

耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられる設計とされており、住宅性能表示制度における現行の耐震性能の最高等級です。警察署や消防署など、防災拠点となる建物にも採用される基準です。

具体的には、数百年に一度程度発生する大地震に対して耐震等級1の1.5倍の力でも倒壊・崩壊しないこと、また数十年に一度程度の地震についても1.5倍の力に対して損傷を生じないことが求められます。東京を想定した場合、震度6強~7相当、震度5強相当の揺れに対し、非常に高い安全面の余裕を持つ水準です。

2016年4月に発生した熊本地震では、耐震等級3の木造住宅に大きな損傷が見られなかったという調査結果もあります。被害を抑え、地震後も住み続けやすい住宅を目指す場合、耐震等級3は重要な判断基準となります。

出典:国土交通省「「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント」

 

3.耐震等級4相当の家づくりをする方法

耐震等級4相当の家づくりを目指す場合、耐震等級3の基準を超える耐震設計や耐震技術の工夫を重ねることが基本となります。ここでは、耐震等級4相当とされる住宅で用いられる代表的な方法を紹介します。

 

3-1.許容応力度のハードルを高くする

耐震等級4相当とされる住宅では、構造の安全性をより厳密に確認する設計手法が採用されることがあります。その代表例が、構造計算の中でも精度が高い「許容応力度計算」を用い、通常より安全性を重視して条件設定を行う方法です。

許容応力度計算では、地震や台風などの外力が加わった際に、柱や梁といった各部材に生じる力を算出し、それが部材ごとに定められた許容応力度を超えないかを確認します。耐震等級4相当をうたう場合、耐震等級3の基準よりも地震力を割り増して計算したり、部材にかかる力を厳しく評価したりすることで、構造安全性により大きな余力を持たせています。

 

3-2.必要床倍率・必要壁量を高くする

耐震性能を高める方法としては、建物が地震の揺れを受け止める力そのものを増やす設計も有効です。耐震等級4相当の家づくりでは、地震の水平力に抵抗する耐力壁の量を耐震等級3の基準以上に確保したり、より強度の高い壁を採用したりする方法が取られます。

あわせて、床や屋根といった水平構面の剛性を高めることも重要です。床の強さを示す床倍率を高めることで、建物の変形を抑え、地震の力を全体に分散させやすくなります。

 

3-3.制震・免震構造を組み合わせる

耐震等級の示す耐震構造の強さに「制震」や「免震」を組み合わせることで、地震時のダメージ軽減を図ることが可能です。制震構造は、制震ダンパーなどの制震装置を建物内部に設置し、揺れのエネルギーを吸収・減衰させる仕組みです。建物の変形を抑えやすく、繰り返される余震にも効果が期待されます。

一方、免震構造は建物と基礎の間に免震装置を設け、地盤の揺れを建物に直接伝えにくくする技術です。構造躯体や内装、家具への影響を抑えやすい反面、コストや地盤条件などの制約がある点には注意が必要です。

免震・耐震・制震の違いとは?特徴やメリット・デメリットを解説 - an cube(アンキューブ)

 

4.現状の耐震等級の調べ方

自宅や検討中の住宅の耐震性能を知るのに基本的な方法は、第三者機関が発行する「住宅性能評価書」を確認することです。住宅性能評価書には、耐震等級を含む住宅の性能が明記されており、耐震等級を判断する正式な根拠となります。ただし、住宅性能評価書の取得は任意のため、すべての住宅に備わっているわけではありません。まずは住宅購入時の書類や、管理会社・不動産会社に確認してみましょう。

住宅性能評価書が見当たらない場合は、建築した工務店やハウスメーカーへ問い合わせするのが一般的です。また、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物は新耐震基準が適用されるため、少なくとも建築基準法レベル(耐震等級1相当)の耐震性能を確保する設計となっています。より詳細に耐震等級を知りたい場合は、登録住宅性能評価機関による評価や、専門家による耐震診断を利用する方法が挙げられます。

 

まとめ

「耐震等級4」は、住宅性能表示制度に基づく正式な等級ではなく、耐震等級3を超える地震対策を行っていることを示す広告的な表現です。耐震等級1~3には基準があり、中でも耐震等級3は現行制度で最も高い耐震性能とされています。

一方で、許容応力度計算を厳しく行う、耐力壁や床倍率を高める、制震・免震構造を組み合わせるといった工夫により、耐震等級4相当とされる住宅が設計されるケースもあります。まずは既存住宅の耐震等級を把握し、必要に応じて専門家に相談することで、災害に強い耐久性を持つ家にできるでしょう。