ユニットバスの基礎部分は、住宅によって断熱されている場合とされていない場合があります。床下から冷気が伝わる住宅では、冬場に洗い場の床が冷たく感じられたり、浴室全体が温まるまで時間がかかったり、脱衣所との温度差が大きかったりすることが多いでしょう。
浴室が寒いときは、基礎断熱に加えて、壁、天井、窓、浴室内装など、熱が逃げる箇所を一通り確認した上で、どの部分に断熱リフォームを行うかを判断する必要があります。
この記事では、ユニットバスに基礎断熱が必要かどうかの判断基準、断熱材の追加を検討すべきケース、お風呂の断熱リフォームの費用相場や注意点について解説します。
1. ユニットバスには基礎が断熱されていないものがあるって本当?
ユニットバスは、省エネ基準の確認において、浴室の基礎を断熱構造にすることが義務付けられていません。省エネ基準では、浴室の基礎断熱の代わりに、バスユニット床裏面に断熱材を施工すれば良いと定められているためです。したがって、施工会社によっては基礎部分を断熱しないこともあります。
ユニットバスは、建物の中に箱状の浴室を組み込む構造です。床下に冷たい外気が入り込み、浴室の床裏や壁まわりに断熱材が少ない場合、洗い場の床や浴室全体が冷えてしまいます。比較的新しい住宅でも床下側に断熱材が見当たらない例はあるため、寒さを感じるときは点検口から床下や浴室まわりの状態を確認しておきたいところです。
基礎断熱が施されていないユニットバスでも、すぐに全面リフォームが必要になるとは限りません。しかし、寒いと感じる場合は、リフォームを考えるのもよいでしょう。
2. ユニットバスに断熱材は必要?
以下のような状況では、ユニットバスへの断熱材追加リフォームを検討する価値があると言えます。
- 冬場に床が冷たい
- 浴室全体がなかなか温まらない
- 脱衣所との温度差が大きい
戸建てのユニットバスでは、床下の冷気が洗い場の床や壁まわりに伝わり、寒さの原因になります。浴槽だけに保温材が付いていても、床下や壁のすき間を冷気が通り抜ける状態では、浴室全体の体感温度は上がりません。そうしたユニットバスの場合、断熱材の追加で寒さ対策ができる可能性が高いと言えます。
ただし、浴室の寒さが断熱材の追加だけで解決するとは限りません。窓がある浴室ではガラスやサッシから熱が逃げるため、内窓の設置や複層ガラスへの交換が有効な場合もあります。
3. ユニットバスの断熱リフォームにかかる費用はいくら?
ユニットバスの断熱リフォーム費用は、部分工事なら数万円台で可能です。断熱性能の高いユニットバス交換なら約60万~150万円が目安です。
ユニットバスの断熱リフォームにかかる費用の目安は、以下の通りです。
| 工事内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 基礎断熱の追加 | 約7,000円~/1平方メートル |
| 壁断熱の追加 | 約5,000円~/1平方メートル |
| 天井断熱の追加 | 約4,000円~/1平方メートル |
| 内窓の設置(1か所) | 約4万~10万円 |
| 複層ガラス(ペアガラス)への交換(1か所) | 約3万~5万円/サッシ交換も行うなら約10万~30万円 |
| 断熱塗装の施工 | 約1万~2万円/1平方メートル |
| 断熱性能の高いユニットバスへの交換 | 約60万~150万円 |
断熱リフォームの費用は、浴室の広さ、断熱材の施工範囲、床下の作業スペース、配管や窓まわりの状態によって変動します。費用を抑えるためにも、寒さの原因を「床下」「壁・天井」「窓」「浴室内装」に分けて確認することが大切です。
床だけが冷たいなら基礎断熱や床下断熱、窓ぎわが冷えるなら内窓や複層ガラス、浴室全体が古いならユニットバスの交換がリフォームの候補になります。部分工事で改善できる症状に対して浴室全体の交換を選ぶと費用が膨らみやすいため、原因を突き止めた上で優先順位を決めましょう。
以下では、それぞれのリフォームの費用相場と、工事のポイントを解説します。
3-1. 基礎断熱の追加
基礎断熱の追加は、床下から冷気が入り込み、ユニットバスの床が冷たく感じる住宅に向いた工事です。費用は約7,000円~/1平方メートルが目安で、床下から断熱材を施工できる戸建てであれば、比較的範囲を絞った対策が可能です。
基礎断熱工事では、基礎立上りや土間コンクリートまわりにボード状の断熱材を貼り、配管まわりのすき間を発泡ウレタンなどでふさぐ方法が用いられます。この場合、床下の冷気を抑えられるため、洗い場の足元の冷えを軽減する効果が見込めます。一方で、床下に人が入れない構造、配管が密集している構造、点検口がない住宅では、十分な施工が難しくなる場合があります。
ただし、基礎断熱だけで浴室全体の寒さが解消するとは限りません。窓や壁からの熱損失が大きい浴室では、基礎断熱に加えて窓断熱や壁断熱を組み合わせるほうが合理的です。
3-2. 壁断熱・天井断熱の追加
壁断熱・天井断熱の追加は、外壁側や屋根側から浴室が冷やされている場合に検討する工事です。費用の目安は以下の通りです。
- 壁断熱:約5,000円~/1平方メートル
- 天井断熱:約4,000円~/1平方メートル
壁断熱は、浴室が北側にある住宅や、浴室の外側が屋外に面している住宅で効果を感じやすい傾向があります。天井断熱は、浴室の上が屋根裏や外気に近い空間になっている場合に有効です。
ただし、既存のユニットバスを残したまま壁内や天井裏へ十分な断熱材を入れるのは簡単ではありません。ユニットバスを交換するタイミングや、浴室まわりを解体したときに同時施工すると、仕上がりと費用のバランスを取りやすくなります。
3-3. 窓の断熱化
窓の断熱化は、浴室に窓がある住宅で優先度の高いリフォームです。費用の目安は以下の通りです。
- 内窓の設置(1か所):約4万~10万円
- 複層ガラスへの交換:約3万~5万円
- サッシ交換を含む場合:約10万~30万円
浴室の窓は、換気や採光に役立つ一方で、冬場は冷気の入口になりやすい部位です。既存の窓の内側に内窓を付ける方法なら、壁や床を大きく壊さずに断熱性を高められ、工期も比較的短く済みます。ガラスのみを複層ガラスに替える方法は、サッシの状態がよい場合の選択肢になります。
3-4. 浴室内装の断熱対策
浴室内装の断熱対策は、床や壁の表面が冷たく、素足で触れたときの冷感を抑えたい場合に向くリフォームです。費用の目安は、断熱塗装、断熱タイル、断熱床材のいずれも約1万~2万円/1平方メートルです。
断熱塗装や断熱タイルは、ユニットバス全体を交換するほどではないものの、洗い場の冷たさを軽減したい場合に検討できます。既存の床や壁の上から施工できる製品であれば、工期を1~3日程度に収められる場合があります。転倒が心配な家庭では、クッション性や滑りにくさを備えた床材を選ぶと、寒さ対策と安全性の向上を同時に進められます。
3-5. ユニットバスの交換
ユニットバスの交換は、浴室全体の断熱性能を高めたい場合や、築年数が古く劣化も進んでいる場合に向くリフォームです。費用相場は約60万~150万円で、以下のような要因によって金額が変動します。
- 選ぶユニットバスのグレード
- 浴室のサイズ
- 既存浴室の解体範囲
- 配管・電気工事の内容
- 窓や入口まわりの補修
ただし、ユニットバス交換は費用が大きいため、寒さだけを理由に選ぶと過剰なリフォームになる可能性があります。浴槽や床の劣化、掃除のしにくさ、段差、漏水の不安など、ユニットバスのほかの性能にも不満を感じている場合に交換を選ぶのがおすすめです。
4. ユニットバスの基礎断熱を行うときの注意点
ユニットバスの基礎断熱では、配管まわりの施工の可否と、床下のカビ対策を事前に確認する必要があります。
●上下水管の配管次第では十分な断熱が難しいケースがある
浴室の床下には給水管、給湯管、排水管が通っているため、配管の位置や本数によっては断熱材をすき間なく施工できない場合があります。また、メンテナンスのために人通口が設けられているため、断熱材を無理に詰め込むと、配管の点検や将来の修理に支障が出ます。将来の点検性も考慮して施工方法を決めることが大切です。
●ユニットバスまわりの断熱を行うときは十分な防カビ措置を講じる
基礎断熱では床下が外気から切り離され、かつユニットバス下は湿気がこもりやすいため、夏場に床下が高温多湿になったとき、床下地合板や木部にカビが生じやすくなります。基礎断熱を行う際は、除湿や防カビ処理、通気性の確保も合わせて行い、カビの発生を防ぐ工夫が必要です。
まとめ
ユニットバスの基礎断熱は、すべての住宅で必要というわけではありません。床下から冷気が伝わる構造や、浴室の床・壁まわりの断熱材が少ない住宅であれば、寒さ対策として有効な選択肢になります。
断熱リフォームの費用は、施工範囲によって幅があるものの、基礎断熱や壁・天井断熱などの部分的工事であれば、お風呂の広さによっては数万円台からの施工も可能です。また、窓の断熱化や浴室内装の断熱対策を組み合わせると、浴室全体の体感温度の改善につながります。浴室そのものの劣化が進んでいる場合は、断熱性能の高いユニットバスへの交換という方法もあります。



