水回りは目に見えない構造部分が気づかない間に劣化しやすく、定期的なメンテナンスが必要になる場所です。加えて、子どもができた・両親が高齢になった、などのライフステージの変化により、リフォームするケースも多くあります。日々使う部分であるからこそ、急な故障が起きた場合でも素早く対応し、費用を抑えてリフォームできるよう備えておきましょう。
この記事ではトイレ・キッチン・洗面所・お風呂のリフォームの費用相場や注意点、費用を抑えるためのポイントや、業者選びのコツを解説します。
目次
1.水回りリフォームをするタイミングはいつ?
水回りを点検・リフォームするタイミングは、ライフステージが変化したときに加えて、購入から10年経過したあたりが目安とされます。水回りの劣化は目視での確認が難しく、大きな不具合が出てから気付くケースが珍しくありません。水回りが使えないと生活に多くの不便が生まれるため、完全に壊れる前に定期的な点検やリフォームを計画することが大切です。
トイレ・キッチン・洗面所・お風呂の一般的なリフォームのタイミングを解説します。
1-1.トイレ
トイレのリフォームタイミングは、10~20年が一般的な目安です。ただし、10年前のトイレと現代のトイレでは水の使用量が大幅に違うため、10年スパンでより節水性能が高いトイレに交換すると水道料金の節約にもつながります。最新のトイレは掃除がしやすい、水を流す音が静かといった利点もあります。
以下は、トイレの修理やリフォームを検討したほうがよい兆候の例です。
【トイレの修理・リフォームが必要になる兆候】
- レバーの反応が悪くなった
- 便器にひび割れや欠けが見られる
- 温水洗浄機能が正常に動作しない
- トイレ本体の汚れが落ちにくくなった
- 悪臭が消えなくなった
- 頻繁に詰まる
- 水漏れや異音が発生する
上記の兆候は、トイレの性能が低下してきたサインと言えます。トイレの故障を放置してしまうと、大きな問題やトラブルの原因となりかねません。早めにリフォームや修理を検討し、安心してトイレを使用できるようにしましょう。
1-2.キッチン
キッチン交換の目安は15~20年と言われていますが、10年程度経過したらレンジフードやコンロなどの点検をおすすめします。
以下は、キッチンの修理やリフォームを検討したほうがよい兆候の例です。
【キッチンの修理・リフォームが必要になる兆候】
- 水漏れや排水口のヌメリ、臭いがひどくなった
- 換気扇や食洗機、IHクッキングヒーターなどの機器に不具合が現れた
- レンジフードが臭いを取りきれない、変な音がする
- ガスコンロの火力調整ができない、火が消える
- IHクッキングヒーターの電源が入らない、ガラストップにヒビが入っている
上記の症状が現れた際は、早めの対応が必要です。特に火を使う機器に関しては、不具合を放置すると生活の質が低下するだけでなく、安全面でのリスクも高まります。適切なタイミングでのお手入れを心がけましょう。
1-3.洗面所
洗面所をリフォームするタイミングは、使用開始から10~15年が目安です。この期間が経過すると、部材の劣化や蛇口、排水管などに不具合が生じる可能性が高まります。また、家族構成やライフステージの変化で洗面台の増設が必要になった場合も、リフォームのタイミングと言えるでしょう。
以下は、洗面所の修理やリフォームを検討したほうがよい兆候の例です。
【洗面所の修理・リフォームが必要になる兆候】
- 洗面ボウルにひび・割れが発生した
- 水の流れが悪い、つまりや水漏れがある
- 排水口からの臭いが目立つ
- 蛇口や収納棚などが劣化している
臭いの問題や水の流れの不具合は、内部での汚れや詰まりが原因となっていることが多く、早めの対応が必要です。放置すると、水道代の増加やさらなる損傷の原因となるケースも少なくありません。
1-4.お風呂
お風呂場のリフォームのタイミングは、一般的に10~15年程度が目安です。この期間が経過すると、浴槽や排水管の耐用年数が近付き、腐食やカビの問題も目立つようになります。
以下は、お風呂場の修理やリフォームを検討したほうがよい兆候の例です。
【お風呂の修理・リフォームが必要になる兆候】
- タイルやコーキング材にヒビ割れが見られる
- 換気扇の動作に異常がある、音が大きくなる
- 掃除をしてもカビが取れない
- 蛇口から水漏れが生じる
- 浴室ドアの動きが悪い
ヒビ割れや水漏れは、放置すると構造材の腐食リスクが高まるため早めの対処が必要です。また、最新のお風呂は省エネ性や利便性が向上しており、リフォームによって光熱費の節約も期待できます。
2.水回りリフォームに必要な費用相場
水回りリフォームを考える際、どれくらいの費用がかかるのかは多くの方が気になる点です。水回りリフォームの費用は、工事の規模や家の劣化の状態、選ぶ施工業者によっても異なります。選ぶグレードによっても費用が大きく変わるため、予算を立てる前に費用相場を把握するのが大切です。
水回りをまとめて施工すれば、合計の費用を節約することも可能です。リフォーム業者によっては、水回り全面リフォームに向いたパック商品を提供しています。
下表は、水回り一式をまとめて依頼した場合の費用相場です。
【水回りの4点(トイレ・キッチン・洗面所・お風呂)リフォーム費用】
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
ローグレード | 約150万~230万円 |
ミドルグレード(スタンダード) | 約190万~300万円 |
ハイグレード | 約340万~450万円 |
次に、水回りを個別リフォームする場合の費用相場を見てみましょう。
2-1.トイレリフォームの費用相場
トイレリフォームの費用や工期は、工事内容により大きく異なる部分です。また、トイレの性能やデザイン、付加機能の有無などによっても変動します。
下表は、工事内容別のトイレリフォーム費用相場と工期の目安です。
【トイレのリフォーム費用】
工事内容 | 費用相場 | 工期 |
---|---|---|
トイレ本体の交換 | 約10万~40万円 | 約1日 |
トイレの便座交換・温水洗浄便座の設置 | 約5~10万円 | 約1~2時間 |
トイレの床張り替え | 約2万~12万円 | 約1日 |
トイレのクロス交換 | 約1~3万円 | 約半日 |
手すりの取り付け | 約1万~5万円 | 約1~2時間 |
手洗いの設置 | 約3万~15万円 | 約1~7日 |
トイレ内収納の設置 | 約3万~5万円 | 約1~2時間 |
和式トイレの洋式トイレ化 | 約10万~60万円 | 約1~7日 |
トイレ本体の交換であれば、リフォームの費用は約10万~40万円が相場です。しかし、最高級のトイレや付加機能の多いトイレを選ぶ場合、上表の範囲を超えるケースも珍しくありません。また、床や壁の材質にこだわると、さらに費用は増加します。
リフォームの際は、しっかりと費用や工期の詳細を業者から確認し、見積もりを取るのが大切です。なお、リフォーム工事では工期だけでなく業者選びや現地調査などでさらに1~2週間はかかることが多いため、トイレが使えない場合の対処法も考えておきましょう。
2-2.キッチンリフォームの費用相場
キッチンリフォームの費用相場は、施工内容や選ぶ製品のグレードにより大きく異なります。下表は、工事内容別のキッチンリフォーム費用相場と工期の目安です。
【キッチンのリフォーム費用】
工事内容 | 費用相場 | 工期 |
---|---|---|
I型キッチンのリフォーム | 約40万~80万円 | 約2~7日 |
L型キッチンのリフォーム | 約60万~90万円 | 約2~7日 |
対面型キッチンのリフォーム | 約70万~100万円 | 約2~7日 |
従来型キッチンをシステムキッチンに交換 | 約60万~120万円 | 約2~3週間 |
壁付けキッチンを対面式に交換・対面式キッチンを壁付けキッチンに交換 | 約50万~200万円 | 約2~4週間 |
キッチン場所の移動 | 約100~200万円 | 約2~4週間 |
蛇口の交換 | 約1万5,000~5万円 | 約1~2時間 |
レンジフードの交換 | 約10~20万円 | 約1~2日 |
ガスコンロのIH化 | 約20~30万円 | 約2~7日 |
食洗器の設置・交換 | 約8~25万円 | 約半日 |
キッチンパネル・タイルの交換 | 約5~8万円 | 約1日 |
キッチンの床リフォーム | 約5~20万円 | 約1~2日 |
キッチンのクロス張替え | 約3~10万円 | 約1日 |
キッチン全体をリフォームする場合の費用相場は、約40万~120万円です。しかし、部分リフォーム、例えばレンジフードやコンロの設備交換だけでよい場合は、約10万~25万円の費用で実現できます。
特に、既存のキッチンの位置や形式を変更する場合、給排水管やガス管の移設が必要となり、費用や工期が伸びる可能性があります。必要な工事内容を明確にし、複数業者の見積もり比較を行い、最適なリフォーム計画を立てることが大切です。
2-3.洗面所リフォームの費用相場
洗面所リフォームの費用は、選択する洗面台のグレードやサイズ、追加するオプションによって異なります。
下表は、工事内容別の洗面所リフォーム費用相場と工期の目安です。
【洗面所のリフォーム費用】
工事内容 | 費用相場 | 工期 |
---|---|---|
洗面台の交換(~600mm) | 約8~20万円 | 約半日~1日 |
洗面台の交換(600~750mm) | 約10~25万円 | 約半日~1日 |
洗面台の交換(750mm~) | 約15~50万円 | 約半日~1日 |
洗面所のクロス張替え | 約4万~7万円 | 約半日~1日 |
照明のLED化 | 約1万~2万円 | 約1~2時間 |
鏡の曇り止め | 約2,000~3,000円 | 約1~2時間 |
キャビネットの追加 | 約6万~10万円 | 約半日~1日 |
洗面台交換のみの場合、ローグレードな製品を選べば約8~15万円で済みます。一方、洗面ボウルが2口あるタイプや高機能でハイグレードな洗面台は、50万円以上となることも珍しくありません。
また、クロスの張替えや床の工事などを含む全体のリフォームを行う場合、洗面台のグレードを抑えても費用は高くなります。基本的に洗面台本体の交換だけであれば工期は1日以内、全体をリフォームする場合でも数日程度で終わるケースが一般的です。
ただし、洗面台の場所を変更する場合や新規に設置する場合は、配管工事費用や電気配線工事費用が必要となり、工期も増加します。
2-4.お風呂リフォームの費用相場
お風呂のリフォームは、家の中でも高額な工事の1つと言われています。ユニットバスの交換工事や在来浴室のリフォームは、工事の内容や選ぶ設備のグレードによって、費用が大きく変わります。
下表は、工事内容別のお風呂リフォーム費用相場と工期の目安です。
【お風呂のリフォーム費用】
工事内容 | 費用相場 | 工期 |
---|---|---|
ユニットバスの交換 | 約60万~120万円 | 約3~7日 |
在来浴室の交換 | 約40万~200万円 | 約2~4週間 |
在来浴室をユニットバスに交換 | 約70万~150万円 | 約1週間 |
浴室の拡張 | 約80万~200万円 | 約1~4週間 |
浴室の移動・増築 | 約100~250万円 | 約2~4週間 |
手すりの設置 | 約3万~5万円 | 約1時間~半日 |
内装の変更 | 約10万~30万円 | 約1~3日 |
浴槽の交換 | 約10万~60万円 | 約1日 |
給湯器の交換 | 約10~40万円 | 約半日 |
ユニットバスを交換する場合の費用相場は、約60万~120万円です。ただし、ユニットバスから新しいユニットバスに変更するよりも、既存の在来浴室からユニットバスに変更するほうが若干高額になります。
また、一戸建て住宅の在来浴室は広めに作られているケースが多く、オーダーメイドとなる分工事が大規模で費用も高額となる傾向にあります。しかし、マンションに比べて自由度が高いため、選択次第では費用を大幅に抑えることも可能です。
3.水回りをリフォームするときの注意点
水回りのリフォームは、快適な生活空間の実現に向けた大切な工事です。工事が終わってから後悔しないためにも、いくつかの注意点を押さえておかなければなりません。
まずは、水回りリフォームをするときの全般的な注意点を4つ把握しましょう。
ショールームなどで実物を見てから決める |
---|
カタログの情報だけでは、実際に使い始めてから「イメージと違った」という結果になりかねません。リフォームの際は、ショールームを訪問して直接製品を確認すると、後悔のない選択ができます。 |
デザインや価格だけでなく生活導線や使い勝手も考えて決める |
---|
デザイン性や価格の魅力に惹かれて選ぶこと自体は悪い決断ではありません。しかし、毎日使用する設備だからこそ、使い勝手や導線も考慮して決めるのが重要です。理想的な仕上がりを目指すために、デザインと機能面のバランスを見付けましょう。 |
マンションの場合は管理規約を事前に確認する |
---|
マンションでは、専有部に関連する部分であればリフォームできるケースが大半です。ただし、管理規約によっては、特定の工事内容が制限されている場合があります。そのため、事前に管理組合などへ確認し、必要に応じて交渉を行いましょう。 |
工事期間中に水回りを使わなくてよいよう対策する |
---|
キッチンや浴室、トイレは生活の中で欠かせない設備です。ただし、リフォーム中はこれらの設備を使用できなくなるため、リフォーム期間中の生活対策をあらかじめ考え、準備しておく必要があります。 |
以上の注意点を押さえて、リフォームを計画的に進めましょう。
以下では、トイレ・キッチン・洗面所・お風呂をリフォームするときの注意点を解説します。
3-1.トイレをリフォームするときの注意点
トイレリフォームを考える際は、以下の4点に注意しましょう。
将来的なバリアフリー化も考えて決める |
---|
トイレの使用期間は10年~20年と長く、その間に家族構成や健康状態が変わることも考えられます。将来高齢者が住む予定があるなら、手すりの設置や段差のない設計を取り入れるとよいでしょう。 |
トイレの大きさと便器のサイズ感のバランスを確認する |
---|
現代の便器は機能的な反面、大きめに設計されている製品も少なくありません。トイレの空間や設置予定の便器のサイズを確認し、狭く感じないよう適切なバランスを取ることが大切です。 |
出入りのしやすさを確かめてドアを選ぶ |
---|
ドアの開き方は、使用する人の利便性や安全性に直接影響します。特に、介助が必要な方のいる家庭では、慎重に選ばなければなりません。外開きのドアがおすすめですが、スペースが限られている場合は引き戸や折れ戸なども検討しましょう。 |
コンセントの電力に不足がないか確かめる |
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高機能な便座を使用するには、電源が必要です。例えば、暖房便座は300W~500W、温水便座は1000W~1400W程度の電力が必要となります。リフォーム時には、便器の要求電力とコンセントの供給能力を確認し、必要に応じてコンセントの新設やアンペアアップを行いましょう。 |
トイレのリフォームはただ新しくするだけでなく、日常の使いやすさや将来のライフスタイル変化を見越した設計を心がけることで、長く快適に使用できます。
3-2.キッチンをリフォームするときの注意点
キッチンリフォームを考える際は、以下の3点に注意しましょう。
使いやすい寸法のキッチンを選ぶ |
---|
キッチンカウンターの高さは、メインで調理する人の身長に合わせて選ぶことが大切です。調理台が低すぎたり高すぎたりすると、料理の際に肩や腰への負担が増える可能性があります。キッチンの高さと通路幅は、「身長÷2+5cm」が一般的な目安です。 |
調理するときの動線を意識する |
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「ワークトライアングル」という考え方があり、冷蔵庫・シンク・コンロの3点が正三角形に近い配置が理想とされています。また、キッチンでの動きやすさを考えると、90cm以上の作業スペースを確保するのが理想的です。 |
普段使いする家電製品の置き場所やコンセントも考える |
---|
頻繁に使う家電製品の置き場所や扉の向きをしっかりと計画することで、作業の効率化が図れます。コンセントも適切な位置へ多めに設置し、延長コードの使用を最小限にすると安全面でも安心です。 |
キッチンをリフォームする際、機能性と使いやすさが大切です。同時に、キッチンを利用する人数や収納スペースの容量・使い勝手なども計算に入れると、毎日の料理を快適に楽しく進められるキッチンの実現に近付きます。
3-3.洗面所をリフォームするときの注意点
洗面所リフォームを考える際は、以下の3点に注意しましょう。
設置スペースのサイズに合った洗面台を選ぶ |
---|
洗面台を交換する際は、設置するスペースのサイズをしっかり把握しましょう。大きすぎる洗面台は、洗面所内での動きが制限される場合もあるため、注意が必要です。適切なサイズの洗面台を選べば、使い勝手を維持しながらも脱衣や洗濯の作業スペース、掃除用具の収納スペースとしても効率的に活用できます。 |
使う人の身長に合った洗面台を探す |
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洗面台の高さは、使い心地に大きく影響します。洗顔時に水が肘から床に垂れたり、腰へ負担がかかったりするのを防ぐためにも、適切な高さの洗面台を選ぶことが大切です。身長155cm程度の場合は、ボウルまでの高さ75cmが使いやすいとされています。165cm程度の場合は80cm、170cm程度の場合は85cmが一般的な目安です。 |
既存の給排水管をそのまま使えるか確認する |
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給排水管の接続ができるかは、リフォーム時の重要なポイントです。接続部分が異なる洗面台を選んでしまうと、接続できなかったり追加の工事が必要になったりする場合があります。特に、洗面台の排水管が床下につながっているタイプはフルスライドのキャビネットタイプの設置が制限されるため、注意が必要です。事前に現在の洗面台の給排水管の形状や位置を確認し、新しい洗面台をそのまま接続できるものを選びましょう。 |
以上の点を考慮しながらリフォームを進めることで、使い勝手のよい洗面所を実現できます。適切なサイズと機能を持った洗面台を選べば、快適な毎日を過ごせるでしょう。
3-4.浴室をリフォームするときの注意点
浴室リフォームを考える際は、以下の3点に注意しましょう。
防カビ性能もチェックして素材を選ぶ |
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浴室は湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい環境となっています。壁材や床材を選ぶ際は、カビが生えにくい素材を選ぶことが大切です。特に、防カビ効果や抗菌効果のある素材を選べば、後々お手入れにかける手間を大幅に減らせます。 |
オプションが本当に必要か見直す |
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近年の浴室は多機能化しており、さまざまなオプション機能が選択可能です。しかし、オプションが増えれば掃除の手間や故障のリスク、リフォーム費用や後のメンテナンスにかかる手間も増えます。特にジェットバスなど、構造が複雑で故障しやすい機能は、必要性をしっかりと考えて決断するとよいでしょう。 |
浴槽を狭く感じないか実物を確認する |
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近年の浴槽は節水効果の高さから、丸みを帯びた形状が主流となっています。体格によっては狭く感じるケースがあるため、ショールームなどで実物を確認してから購入するとよいでしょう。家族全員が快適に利用できるサイズを選ぶことが大切です。 |
浴室のリフォームを検討する際は、利便性だけでなく維持・管理の面からの検討も大切です。事前にしっかりと情報収集を行い、必要性を確認しましょう。
4.水回りリフォームの費用を安く抑えるためのポイント
水回りのリフォームは決して安い買い物ではありません。しかし、いくつかのポイントを押さえれば、満足のいくリフォームを行いつつ、工事にかかる費用を抑えることができます。
賢くリフォームするためにも、以下で紹介する4つのポイントに注目しましょう。
4-1.まとめて同時に水回りをリフォームする
水回りリフォーム工事にかかる費用を抑えたいなら、複数箇所をまとめてリフォームする方法がおすすめです。水回りの配管は多くの場合つながっており、複数箇所を同時に工事することで、人件費や施工費用を削減できる可能性が高まるためです。特に、リフォーム会社が提供する「パックプラン」や「セットプラン」を利用すると、さらに費用を抑えられます。
パックプランとは、例えば「水回り3点セット」として、洗面所・トイレ・浴室のリフォームを1まとめで提供するプランです。ただし、用意されているプランは設備の材質やメーカーが指定されていることが多く、自分の好みやこだわりを持って選びたい方には向かない場合もあります。
また、水回りリフォームパックの中身は、メーカーがおすすめするスタンダードな設備を中心として選ばれるケースが大半です。そのため、ハイグレードな設備を求めたり、間取りを変えたりしたい場合は、オーダーメイドのリフォームを選択する必要があります。
まとめてリフォームする際は、提供されるプランの内容をしっかりと確認することが大切です。自身の要望や予算に合わせて、最適なリフォームプランを選びましょう。
4-2.設備のグレードを下げる・旧型のものを使う
水回りのリフォームでは、製品の選択が工事費用に大きな影響を与える要因です。リフォームの費用を抑えたいなら、旧型を選んだり、製品のグレードを下げたりするとよいでしょう。有名メーカーにこだわらないのも、コストを削減する秘訣です。
メーカーが新製品を発表すると、型落ちになったモデルが割引価格で販売されるケースが大半です。施工会社が不良在庫を持っている場合は、商品価格相場よりさらにお得な特別料金で提供してもらえるケースがあるため、確認する価値があります。
また、高価格帯の設備機器には多くの便利機能が備わっているものの、実際の生活ではすべての機能を使用しない家庭も少なくありません。製品のグレードを下げ、本当に必要な機能のみを持つものを選ぶと、リフォームの費用を抑えられます。
型落ち品や旧型の製品、あまり知られていないメーカー品を選ぶ際は、リフォームの品質を犠牲にしないよう、希望をしっかり伝えることが大切です。また、製品のグレードを下げる場合は、設備品のグレードも考慮し、統一感のあるデザインを心がけるとよいでしょう。
4-3.できるだけ水回りの位置を動かさない
水回り設備の配置を変更しないことで、工事費用を抑制できます。ダクトや給排水管、電気工事など、移動に伴う追加工事が発生すると、大幅なコストアップにつながるためです。例えば、キッチンのリフォームで対面式やアイランド式にしたいなど、特別な要望がない場合は同じ配置の製品を選ぶとよいでしょう。
また、給排水管やガスの工事が含まれる大規模なリフォームは、工事費用が膨らむばかりでなく、工期も長くなる可能性があります。仮住まいが必要となり、さらなる出費がかさむケースも珍しくありません。工費の抑制を優先するのであれば、シンプルに製品の入れ替えのみで済むリフォームを選択しましょう。
4-4.補助金を活用してリフォームする
水回りをリフォームする際、特定の条件を満たすと国や各自治体の補助金・助成金制度を利用できます。制度をうまく活用できれば、リフォーム費用の大幅な節約が可能です。
例えば、和泉市では「いずもくで建てよう支援事業」という補助金制度があります。これは、和泉市の木材「いずもく」を一定量以上使用してリフォームを行う場合、補助金が交付される制度です。金額は和泉市内産木材の購入金額の50%以内、最大で40万円までの補助が受けられます。
出典:和泉市「和泉市の木材で建築すると補助金がもらえます(募集中)」
また、「いずみ安心住まいる(スマイル)事業」は、事故の防止を目的とした住まい改修に対して助成金が交付される制度です。65歳以上の和泉市民で、介護認定を受けていない方などが対象となり、最大で45,000円の助成を受けることができます。
利用条件や補助金額は地域や制度によって異なるため、計画するリフォーム内容に合わせて適切な制度を調べ、最大限活用しましょう。
5.水回りリフォームを任せられる業者の選び方
水回りは日々使用する設備であり、生活に欠かせない部分です。リフォームを成功させるためには、信頼できる業者を選ぶことが大切です。以下では、水回りリフォームを任せられる業者の選び方を解説します。
5-1.要望に合わせて提案してくれる
顧客の要望に合わせて、最適な工事プランを提案してくれる業者を選びましょう。業者の中には、一方的に自社の商品やサービスを押し付けるところもあります。以下は、業者選びで注目すべきポイントです。
- 真摯に要望や意見を聞いてくれるか
- 提案の際、メリットだけでなくデメリットも説明してくれるか
- 現地調査をもとに追加工事の必要性や追加費用を示してくれるか
- サンプルやカタログを提示して分かりやすく説明してくれるか
- ローコストなプランも提示してくれるか
5-2.水回りリフォームの実績がある
水回りのリフォームは、特有の知識と技術が求められる分野です。業者選びの際には、水回りに関する十分な実績を持つ業者を選びましょう。業者のホームページなどで施工実績やリフォーム事例を確認すると、業者の得意分野や特徴を把握でき、仕上がりをイメージしやすくなります。
経験が豊富な業者は、追加工事費用が発生する可能性の有無や、利用できる制度についても事前に説明してくれるケースが大半です。また、マンションでリフォームする際は、集合住宅で施工経験のある業者に依頼すると管理規約に違反するリスクを下げられます。
5-3.適切な資格がある
リフォーム業者選びの重要なポイントとして、適切な資格の保有が挙げられます。特に「建設業許可」は、工事の信頼性や技術力の証明となり、大規模な工事にも対応できる業者として必須の資格です。
さらに、一級・二級建築士、一級建築施工管理技士といった資格を持つスタッフがいる業者は、リフォームに関する専門的な知識や適切なプランの提案が期待できます。瑕疵保険の完備も確認すべきポイントです。
まとめ
水回りのリフォームに必要な費用はグレードによって大きく変わります。ローグレードの場合は約150万~230万円、ミドルグレードなら約190万~300万円、ハイグレードであれば約340万~450万円程度が相場でしょう。
水回りのリフォームをする場合は、まとめて同時にリフォームする、少しグレードが低い製品を使う、水回りの位置を動かさない、といった方法で費用を抑えられます。それぞれの地方自治体にあるリフォーム補助金などを活用するのも大切です。
和泉市で水回りをリフォームする場合は、an cubeにぜひご依頼ください。二級建築士・一級建築施工管理技士を持つスタッフが所属しており、不動産仲介やプランニングから工事完了までしっかりとサポートします。
水回りは目に見えない構造部分が気づかない間に劣化しやすく、定期的なメンテナンスが必要になる場所です。加えて、子どもができた・両親が高齢になった、などのライフステージの変化により、リフォームするケースも多くあります。日々使う部分であるからこそ、急な故障が起きた場合でも素早く対応し、費用を抑えてリフォームできるよう備えておきましょう。
この記事ではトイレ・キッチン・洗面所・お風呂のリフォームの費用相場や注意点、費用を抑えるためのポイントや、業者選びのコツを解説します。
目次
1.水回りリフォームをするタイミングはいつ?
水回りを点検・リフォームするタイミングは、ライフステージが変化したときに加えて、購入から10年経過したあたりが目安とされます。水回りの劣化は目視での確認が難しく、大きな不具合が出てから気付くケースが珍しくありません。水回りが使えないと生活に多くの不便が生まれるため、完全に壊れる前に定期的な点検やリフォームを計画することが大切です。
トイレ・キッチン・洗面所・お風呂の一般的なリフォームのタイミングを解説します。
1-1.トイレ
トイレのリフォームタイミングは、10~20年が一般的な目安です。ただし、10年前のトイレと現代のトイレでは水の使用量が大幅に違うため、10年スパンでより節水性能が高いトイレに交換すると水道料金の節約にもつながります。最新のトイレは掃除がしやすい、水を流す音が静かといった利点もあります。
以下は、トイレの修理やリフォームを検討したほうがよい兆候の例です。
【トイレの修理・リフォームが必要になる兆候】
- レバーの反応が悪くなった
- 便器にひび割れや欠けが見られる
- 温水洗浄機能が正常に動作しない
- トイレ本体の汚れが落ちにくくなった
- 悪臭が消えなくなった
- 頻繁に詰まる
- 水漏れや異音が発生する
上記の兆候は、トイレの性能が低下してきたサインと言えます。トイレの故障を放置してしまうと、大きな問題やトラブルの原因となりかねません。早めにリフォームや修理を検討し、安心してトイレを使用できるようにしましょう。
1-2.キッチン
キッチン交換の目安は15~20年と言われていますが、10年程度経過したらレンジフードやコンロなどの点検をおすすめします。
以下は、キッチンの修理やリフォームを検討したほうがよい兆候の例です。
【キッチンの修理・リフォームが必要になる兆候】
- 水漏れや排水口のヌメリ、臭いがひどくなった
- 換気扇や食洗機、IHクッキングヒーターなどの機器に不具合が現れた
- レンジフードが臭いを取りきれない、変な音がする
- ガスコンロの火力調整ができない、火が消える
- IHクッキングヒーターの電源が入らない、ガラストップにヒビが入っている
上記の症状が現れた際は、早めの対応が必要です。特に火を使う機器に関しては、不具合を放置すると生活の質が低下するだけでなく、安全面でのリスクも高まります。適切なタイミングでのお手入れを心がけましょう。
1-3.洗面所
洗面所をリフォームするタイミングは、使用開始から10~15年が目安です。この期間が経過すると、部材の劣化や蛇口、排水管などに不具合が生じる可能性が高まります。また、家族構成やライフステージの変化で洗面台の増設が必要になった場合も、リフォームのタイミングと言えるでしょう。
以下は、洗面所の修理やリフォームを検討したほうがよい兆候の例です。
【洗面所の修理・リフォームが必要になる兆候】
- 洗面ボウルにひび・割れが発生した
- 水の流れが悪い、つまりや水漏れがある
- 排水口からの臭いが目立つ
- 蛇口や収納棚などが劣化している
臭いの問題や水の流れの不具合は、内部での汚れや詰まりが原因となっていることが多く、早めの対応が必要です。放置すると、水道代の増加やさらなる損傷の原因となるケースも少なくありません。
1-4.お風呂
お風呂場のリフォームのタイミングは、一般的に10~15年程度が目安です。この期間が経過すると、浴槽や排水管の耐用年数が近付き、腐食やカビの問題も目立つようになります。
以下は、お風呂場の修理やリフォームを検討したほうがよい兆候の例です。
【お風呂の修理・リフォームが必要になる兆候】
- タイルやコーキング材にヒビ割れが見られる
- 換気扇の動作に異常がある、音が大きくなる
- 掃除をしてもカビが取れない
- 蛇口から水漏れが生じる
- 浴室ドアの動きが悪い
ヒビ割れや水漏れは、放置すると構造材の腐食リスクが高まるため早めの対処が必要です。また、最新のお風呂は省エネ性や利便性が向上しており、リフォームによって光熱費の節約も期待できます。
2.水回りリフォームに必要な費用相場
水回りリフォームを考える際、どれくらいの費用がかかるのかは多くの方が気になる点です。水回りリフォームの費用は、工事の規模や家の劣化の状態、選ぶ施工業者によっても異なります。選ぶグレードによっても費用が大きく変わるため、予算を立てる前に費用相場を把握するのが大切です。
水回りをまとめて施工すれば、合計の費用を節約することも可能です。リフォーム業者によっては、水回り全面リフォームに向いたパック商品を提供しています。
下表は、水回り一式をまとめて依頼した場合の費用相場です。
【水回りの4点(トイレ・キッチン・洗面所・お風呂)リフォーム費用】
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
ローグレード | 約150万~230万円 |
ミドルグレード(スタンダード) | 約190万~300万円 |
ハイグレード | 約340万~450万円 |
次に、水回りを個別リフォームする場合の費用相場を見てみましょう。
2-1.トイレリフォームの費用相場
トイレリフォームの費用や工期は、工事内容により大きく異なる部分です。また、トイレの性能やデザイン、付加機能の有無などによっても変動します。
下表は、工事内容別のトイレリフォーム費用相場と工期の目安です。
【トイレのリフォーム費用】
工事内容 | 費用相場 | 工期 |
---|---|---|
トイレ本体の交換 | 約10万~40万円 | 約1日 |
トイレの便座交換・温水洗浄便座の設置 | 約5~10万円 | 約1~2時間 |
トイレの床張り替え | 約2万~12万円 | 約1日 |
トイレのクロス交換 | 約1~3万円 | 約半日 |
手すりの取り付け | 約1万~5万円 | 約1~2時間 |
手洗いの設置 | 約3万~15万円 | 約1~7日 |
トイレ内収納の設置 | 約3万~5万円 | 約1~2時間 |
和式トイレの洋式トイレ化 | 約10万~60万円 | 約1~7日 |
トイレ本体の交換であれば、リフォームの費用は約10万~40万円が相場です。しかし、最高級のトイレや付加機能の多いトイレを選ぶ場合、上表の範囲を超えるケースも珍しくありません。また、床や壁の材質にこだわると、さらに費用は増加します。
リフォームの際は、しっかりと費用や工期の詳細を業者から確認し、見積もりを取るのが大切です。なお、リフォーム工事では工期だけでなく業者選びや現地調査などでさらに1~2週間はかかることが多いため、トイレが使えない場合の対処法も考えておきましょう。
2-2.キッチンリフォームの費用相場
キッチンリフォームの費用相場は、施工内容や選ぶ製品のグレードにより大きく異なります。下表は、工事内容別のキッチンリフォーム費用相場と工期の目安です。
【キッチンのリフォーム費用】
工事内容 | 費用相場 | 工期 |
---|---|---|
I型キッチンのリフォーム | 約40万~80万円 | 約2~7日 |
L型キッチンのリフォーム | 約60万~90万円 | 約2~7日 |
対面型キッチンのリフォーム | 約70万~100万円 | 約2~7日 |
従来型キッチンをシステムキッチンに交換 | 約60万~120万円 | 約2~3週間 |
壁付けキッチンを対面式に交換・対面式キッチンを壁付けキッチンに交換 | 約50万~200万円 | 約2~4週間 |
キッチン場所の移動 | 約100~200万円 | 約2~4週間 |
蛇口の交換 | 約1万5,000~5万円 | 約1~2時間 |
レンジフードの交換 | 約10~20万円 | 約1~2日 |
ガスコンロのIH化 | 約20~30万円 | 約2~7日 |
食洗器の設置・交換 | 約8~25万円 | 約半日 |
キッチンパネル・タイルの交換 | 約5~8万円 | 約1日 |
キッチンの床リフォーム | 約5~20万円 | 約1~2日 |
キッチンのクロス張替え | 約3~10万円 | 約1日 |
キッチン全体をリフォームする場合の費用相場は、約40万~120万円です。しかし、部分リフォーム、例えばレンジフードやコンロの設備交換だけでよい場合は、約10万~25万円の費用で実現できます。
特に、既存のキッチンの位置や形式を変更する場合、給排水管やガス管の移設が必要となり、費用や工期が伸びる可能性があります。必要な工事内容を明確にし、複数業者の見積もり比較を行い、最適なリフォーム計画を立てることが大切です。
2-3.洗面所リフォームの費用相場
洗面所リフォームの費用は、選択する洗面台のグレードやサイズ、追加するオプションによって異なります。
下表は、工事内容別の洗面所リフォーム費用相場と工期の目安です。
【洗面所のリフォーム費用】
工事内容 | 費用相場 | 工期 |
---|---|---|
洗面台の交換(~600mm) | 約8~20万円 | 約半日~1日 |
洗面台の交換(600~750mm) | 約10~25万円 | 約半日~1日 |
洗面台の交換(750mm~) | 約15~50万円 | 約半日~1日 |
洗面所のクロス張替え | 約4万~7万円 | 約半日~1日 |
照明のLED化 | 約1万~2万円 | 約1~2時間 |
鏡の曇り止め | 約2,000~3,000円 | 約1~2時間 |
キャビネットの追加 | 約6万~10万円 | 約半日~1日 |
洗面台交換のみの場合、ローグレードな製品を選べば約8~15万円で済みます。一方、洗面ボウルが2口あるタイプや高機能でハイグレードな洗面台は、50万円以上となることも珍しくありません。
また、クロスの張替えや床の工事などを含む全体のリフォームを行う場合、洗面台のグレードを抑えても費用は高くなります。基本的に洗面台本体の交換だけであれば工期は1日以内、全体をリフォームする場合でも数日程度で終わるケースが一般的です。
ただし、洗面台の場所を変更する場合や新規に設置する場合は、配管工事費用や電気配線工事費用が必要となり、工期も増加します。
2-4.お風呂リフォームの費用相場
お風呂のリフォームは、家の中でも高額な工事の1つと言われています。ユニットバスの交換工事や在来浴室のリフォームは、工事の内容や選ぶ設備のグレードによって、費用が大きく変わります。
下表は、工事内容別のお風呂リフォーム費用相場と工期の目安です。
【お風呂のリフォーム費用】
工事内容 | 費用相場 | 工期 |
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ユニットバスの交換 | 約60万~120万円 | 約3~7日 |
在来浴室の交換 | 約40万~200万円 | 約2~4週間 |
在来浴室をユニットバスに交換 | 約70万~150万円 | 約1週間 |
浴室の拡張 | 約80万~200万円 | 約1~4週間 |
浴室の移動・増築 | 約100~250万円 | 約2~4週間 |
手すりの設置 | 約3万~5万円 | 約1時間~半日 |
内装の変更 | 約10万~30万円 | 約1~3日 |
浴槽の交換 | 約10万~60万円 | 約1日 |
給湯器の交換 | 約10~40万円 | 約半日 |
ユニットバスを交換する場合の費用相場は、約60万~120万円です。ただし、ユニットバスから新しいユニットバスに変更するよりも、既存の在来浴室からユニットバスに変更するほうが若干高額になります。
また、一戸建て住宅の在来浴室は広めに作られているケースが多く、オーダーメイドとなる分工事が大規模で費用も高額となる傾向にあります。しかし、マンションに比べて自由度が高いため、選択次第では費用を大幅に抑えることも可能です。
3.水回りをリフォームするときの注意点
水回りのリフォームは、快適な生活空間の実現に向けた大切な工事です。工事が終わってから後悔しないためにも、いくつかの注意点を押さえておかなければなりません。
まずは、水回りリフォームをするときの全般的な注意点を4つ把握しましょう。
ショールームなどで実物を見てから決める |
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カタログの情報だけでは、実際に使い始めてから「イメージと違った」という結果になりかねません。リフォームの際は、ショールームを訪問して直接製品を確認すると、後悔のない選択ができます。 |
デザインや価格だけでなく生活導線や使い勝手も考えて決める |
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デザイン性や価格の魅力に惹かれて選ぶこと自体は悪い決断ではありません。しかし、毎日使用する設備だからこそ、使い勝手や導線も考慮して決めるのが重要です。理想的な仕上がりを目指すために、デザインと機能面のバランスを見付けましょう。 |
マンションの場合は管理規約を事前に確認する |
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マンションでは、専有部に関連する部分であればリフォームできるケースが大半です。ただし、管理規約によっては、特定の工事内容が制限されている場合があります。そのため、事前に管理組合などへ確認し、必要に応じて交渉を行いましょう。 |
工事期間中に水回りを使わなくてよいよう対策する |
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キッチンや浴室、トイレは生活の中で欠かせない設備です。ただし、リフォーム中はこれらの設備を使用できなくなるため、リフォーム期間中の生活対策をあらかじめ考え、準備しておく必要があります。 |
以上の注意点を押さえて、リフォームを計画的に進めましょう。
以下では、トイレ・キッチン・洗面所・お風呂をリフォームするときの注意点を解説します。
3-1.トイレをリフォームするときの注意点
トイレリフォームを考える際は、以下の4点に注意しましょう。
将来的なバリアフリー化も考えて決める |
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トイレの使用期間は10年~20年と長く、その間に家族構成や健康状態が変わることも考えられます。将来高齢者が住む予定があるなら、手すりの設置や段差のない設計を取り入れるとよいでしょう。 |
トイレの大きさと便器のサイズ感のバランスを確認する |
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現代の便器は機能的な反面、大きめに設計されている製品も少なくありません。トイレの空間や設置予定の便器のサイズを確認し、狭く感じないよう適切なバランスを取ることが大切です。 |
出入りのしやすさを確かめてドアを選ぶ |
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ドアの開き方は、使用する人の利便性や安全性に直接影響します。特に、介助が必要な方のいる家庭では、慎重に選ばなければなりません。外開きのドアがおすすめですが、スペースが限られている場合は引き戸や折れ戸なども検討しましょう。 |
コンセントの電力に不足がないか確かめる |
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高機能な便座を使用するには、電源が必要です。例えば、暖房便座は300W~500W、温水便座は1000W~1400W程度の電力が必要となります。リフォーム時には、便器の要求電力とコンセントの供給能力を確認し、必要に応じてコンセントの新設やアンペアアップを行いましょう。 |
トイレのリフォームはただ新しくするだけでなく、日常の使いやすさや将来のライフスタイル変化を見越した設計を心がけることで、長く快適に使用できます。
3-2.キッチンをリフォームするときの注意点
キッチンリフォームを考える際は、以下の3点に注意しましょう。
使いやすい寸法のキッチンを選ぶ |
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キッチンカウンターの高さは、メインで調理する人の身長に合わせて選ぶことが大切です。調理台が低すぎたり高すぎたりすると、料理の際に肩や腰への負担が増える可能性があります。キッチンの高さと通路幅は、「身長÷2+5cm」が一般的な目安です。 |
調理するときの動線を意識する |
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「ワークトライアングル」という考え方があり、冷蔵庫・シンク・コンロの3点が正三角形に近い配置が理想とされています。また、キッチンでの動きやすさを考えると、90cm以上の作業スペースを確保するのが理想的です。 |
普段使いする家電製品の置き場所やコンセントも考える |
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頻繁に使う家電製品の置き場所や扉の向きをしっかりと計画することで、作業の効率化が図れます。コンセントも適切な位置へ多めに設置し、延長コードの使用を最小限にすると安全面でも安心です。 |
キッチンをリフォームする際、機能性と使いやすさが大切です。同時に、キッチンを利用する人数や収納スペースの容量・使い勝手なども計算に入れると、毎日の料理を快適に楽しく進められるキッチンの実現に近付きます。
3-3.洗面所をリフォームするときの注意点
洗面所リフォームを考える際は、以下の3点に注意しましょう。
設置スペースのサイズに合った洗面台を選ぶ |
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洗面台を交換する際は、設置するスペースのサイズをしっかり把握しましょう。大きすぎる洗面台は、洗面所内での動きが制限される場合もあるため、注意が必要です。適切なサイズの洗面台を選べば、使い勝手を維持しながらも脱衣や洗濯の作業スペース、掃除用具の収納スペースとしても効率的に活用できます。 |
使う人の身長に合った洗面台を探す |
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洗面台の高さは、使い心地に大きく影響します。洗顔時に水が肘から床に垂れたり、腰へ負担がかかったりするのを防ぐためにも、適切な高さの洗面台を選ぶことが大切です。身長155cm程度の場合は、ボウルまでの高さ75cmが使いやすいとされています。165cm程度の場合は80cm、170cm程度の場合は85cmが一般的な目安です。 |
既存の給排水管をそのまま使えるか確認する |
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給排水管の接続ができるかは、リフォーム時の重要なポイントです。接続部分が異なる洗面台を選んでしまうと、接続できなかったり追加の工事が必要になったりする場合があります。特に、洗面台の排水管が床下につながっているタイプはフルスライドのキャビネットタイプの設置が制限されるため、注意が必要です。事前に現在の洗面台の給排水管の形状や位置を確認し、新しい洗面台をそのまま接続できるものを選びましょう。 |
以上の点を考慮しながらリフォームを進めることで、使い勝手のよい洗面所を実現できます。適切なサイズと機能を持った洗面台を選べば、快適な毎日を過ごせるでしょう。
3-4.浴室をリフォームするときの注意点
浴室リフォームを考える際は、以下の3点に注意しましょう。
防カビ性能もチェックして素材を選ぶ |
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浴室は湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい環境となっています。壁材や床材を選ぶ際は、カビが生えにくい素材を選ぶことが大切です。特に、防カビ効果や抗菌効果のある素材を選べば、後々お手入れにかける手間を大幅に減らせます。 |
オプションが本当に必要か見直す |
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近年の浴室は多機能化しており、さまざまなオプション機能が選択可能です。しかし、オプションが増えれば掃除の手間や故障のリスク、リフォーム費用や後のメンテナンスにかかる手間も増えます。特にジェットバスなど、構造が複雑で故障しやすい機能は、必要性をしっかりと考えて決断するとよいでしょう。 |
浴槽を狭く感じないか実物を確認する |
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近年の浴槽は節水効果の高さから、丸みを帯びた形状が主流となっています。体格によっては狭く感じるケースがあるため、ショールームなどで実物を確認してから購入するとよいでしょう。家族全員が快適に利用できるサイズを選ぶことが大切です。 |
浴室のリフォームを検討する際は、利便性だけでなく維持・管理の面からの検討も大切です。事前にしっかりと情報収集を行い、必要性を確認しましょう。
4.水回りリフォームの費用を安く抑えるためのポイント
水回りのリフォームは決して安い買い物ではありません。しかし、いくつかのポイントを押さえれば、満足のいくリフォームを行いつつ、工事にかかる費用を抑えることができます。
賢くリフォームするためにも、以下で紹介する4つのポイントに注目しましょう。
4-1.まとめて同時に水回りをリフォームする
水回りリフォーム工事にかかる費用を抑えたいなら、複数箇所をまとめてリフォームする方法がおすすめです。水回りの配管は多くの場合つながっており、複数箇所を同時に工事することで、人件費や施工費用を削減できる可能性が高まるためです。特に、リフォーム会社が提供する「パックプラン」や「セットプラン」を利用すると、さらに費用を抑えられます。
パックプランとは、例えば「水回り3点セット」として、洗面所・トイレ・浴室のリフォームを1まとめで提供するプランです。ただし、用意されているプランは設備の材質やメーカーが指定されていることが多く、自分の好みやこだわりを持って選びたい方には向かない場合もあります。
また、水回りリフォームパックの中身は、メーカーがおすすめするスタンダードな設備を中心として選ばれるケースが大半です。そのため、ハイグレードな設備を求めたり、間取りを変えたりしたい場合は、オーダーメイドのリフォームを選択する必要があります。
まとめてリフォームする際は、提供されるプランの内容をしっかりと確認することが大切です。自身の要望や予算に合わせて、最適なリフォームプランを選びましょう。
4-2.設備のグレードを下げる・旧型のものを使う
水回りのリフォームでは、製品の選択が工事費用に大きな影響を与える要因です。リフォームの費用を抑えたいなら、旧型を選んだり、製品のグレードを下げたりするとよいでしょう。有名メーカーにこだわらないのも、コストを削減する秘訣です。
メーカーが新製品を発表すると、型落ちになったモデルが割引価格で販売されるケースが大半です。施工会社が不良在庫を持っている場合は、商品価格相場よりさらにお得な特別料金で提供してもらえるケースがあるため、確認する価値があります。
また、高価格帯の設備機器には多くの便利機能が備わっているものの、実際の生活ではすべての機能を使用しない家庭も少なくありません。製品のグレードを下げ、本当に必要な機能のみを持つものを選ぶと、リフォームの費用を抑えられます。
型落ち品や旧型の製品、あまり知られていないメーカー品を選ぶ際は、リフォームの品質を犠牲にしないよう、希望をしっかり伝えることが大切です。また、製品のグレードを下げる場合は、設備品のグレードも考慮し、統一感のあるデザインを心がけるとよいでしょう。
4-3.できるだけ水回りの位置を動かさない
水回り設備の配置を変更しないことで、工事費用を抑制できます。ダクトや給排水管、電気工事など、移動に伴う追加工事が発生すると、大幅なコストアップにつながるためです。例えば、キッチンのリフォームで対面式やアイランド式にしたいなど、特別な要望がない場合は同じ配置の製品を選ぶとよいでしょう。
また、給排水管やガスの工事が含まれる大規模なリフォームは、工事費用が膨らむばかりでなく、工期も長くなる可能性があります。仮住まいが必要となり、さらなる出費がかさむケースも珍しくありません。工費の抑制を優先するのであれば、シンプルに製品の入れ替えのみで済むリフォームを選択しましょう。
4-4.補助金を活用してリフォームする
水回りをリフォームする際、特定の条件を満たすと国や各自治体の補助金・助成金制度を利用できます。制度をうまく活用できれば、リフォーム費用の大幅な節約が可能です。
例えば、和泉市では「いずもくで建てよう支援事業」という補助金制度があります。これは、和泉市の木材「いずもく」を一定量以上使用してリフォームを行う場合、補助金が交付される制度です。金額は和泉市内産木材の購入金額の50%以内、最大で40万円までの補助が受けられます。
出典:和泉市「和泉市の木材で建築すると補助金がもらえます(募集中)」
また、「いずみ安心住まいる(スマイル)事業」は、事故の防止を目的とした住まい改修に対して助成金が交付される制度です。65歳以上の和泉市民で、介護認定を受けていない方などが対象となり、最大で45,000円の助成を受けることができます。
利用条件や補助金額は地域や制度によって異なるため、計画するリフォーム内容に合わせて適切な制度を調べ、最大限活用しましょう。
5.水回りリフォームを任せられる業者の選び方
水回りは日々使用する設備であり、生活に欠かせない部分です。リフォームを成功させるためには、信頼できる業者を選ぶことが大切です。以下では、水回りリフォームを任せられる業者の選び方を解説します。
5-1.要望に合わせて提案してくれる
顧客の要望に合わせて、最適な工事プランを提案してくれる業者を選びましょう。業者の中には、一方的に自社の商品やサービスを押し付けるところもあります。以下は、業者選びで注目すべきポイントです。
- 真摯に要望や意見を聞いてくれるか
- 提案の際、メリットだけでなくデメリットも説明してくれるか
- 現地調査をもとに追加工事の必要性や追加費用を示してくれるか
- サンプルやカタログを提示して分かりやすく説明してくれるか
- ローコストなプランも提示してくれるか
5-2.水回りリフォームの実績がある
水回りのリフォームは、特有の知識と技術が求められる分野です。業者選びの際には、水回りに関する十分な実績を持つ業者を選びましょう。業者のホームページなどで施工実績やリフォーム事例を確認すると、業者の得意分野や特徴を把握でき、仕上がりをイメージしやすくなります。
経験が豊富な業者は、追加工事費用が発生する可能性の有無や、利用できる制度についても事前に説明してくれるケースが大半です。また、マンションでリフォームする際は、集合住宅で施工経験のある業者に依頼すると管理規約に違反するリスクを下げられます。
5-3.適切な資格がある
リフォーム業者選びの重要なポイントとして、適切な資格の保有が挙げられます。特に「建設業許可」は、工事の信頼性や技術力の証明となり、大規模な工事にも対応できる業者として必須の資格です。
さらに、一級・二級建築士、一級建築施工管理技士といった資格を持つスタッフがいる業者は、リフォームに関する専門的な知識や適切なプランの提案が期待できます。瑕疵保険の完備も確認すべきポイントです。
まとめ
水回りのリフォームに必要な費用はグレードによって大きく変わります。ローグレードの場合は約150万~230万円、ミドルグレードなら約190万~300万円、ハイグレードであれば約340万~450万円程度が相場でしょう。
水回りのリフォームをする場合は、まとめて同時にリフォームする、少しグレードが低い製品を使う、水回りの位置を動かさない、といった方法で費用を抑えられます。それぞれの地方自治体にあるリフォーム補助金などを活用するのも大切です。
和泉市で水回りをリフォームする場合は、an cubeにぜひご依頼ください。二級建築士・一級建築施工管理技士を持つスタッフが所属しており、不動産仲介やプランニングから工事完了までしっかりとサポートします。