近年、中古住宅のリノベーションで理想の家を手にする人が増えています。その一方で、多額な費用を使ったにもかかわらず、リノベーションに失敗してしまったというケースも少なくありません。リノベーションに失敗しないためには、リスクやデメリットを理解した上で、予算に合わせて適切な物件を選び、事前に中古住宅の価値を正しく見極めることが重要です。
当記事では、中古住宅のリノベーションを検討する際に注意すべきリスクやデメリット、失敗しないためのステップや重要なポイントを紹介します。
1.中古住宅をリノベーションするときのリスクやデメリット
中古住宅のリノベーションには、自由な設計が可能である、新築を購入するよりも安く済むなど、さまざまなメリットがあります。一般的には、新築を購入するよりも中古住宅を買ってリノベーションする方が、20%〜30%程度安く済む場合が多いです。
しかし、実際には良いことばかりではなく、リノベーションに失敗してしまい、理想的な暮らしからはほど遠くなるケースもゼロではありません。そのため、中古住宅をリノベーションするときのリスクやデメリットを知り、その上で対処すれば、理想的な暮らしを実現しやすくなるでしょう。
中古住宅をリノベーションする際に考えられるリスクやデメリットを6つ紹介します。
1-1.計画を十分立てていなければ予算オーバーするケースがある
予算計画を十分に立てず、物件を買ってからリノベーションを依頼する場合は注意が必要です。リノベーションの見積金額が想定以上に高かったり、税金や消費財の購入費がかさんだりし、予算を大きくオーバーするケースがあります。最終的に新築住宅を購入する場合と同じような金額になってしまうこともゼロではありません。
1-2.予想以上に費用がかかる恐れがある
中古住宅を購入し、いざリノベーションのために解体してみると、下地や配管がボロボロだったというケースもあります。また、購入した後になって、雨漏りや壁のヒビ、水回りのカビといったトラブルが発覚することも少なくありません。
中古住宅のリノベーションでは、床下や配管など見えない部分に破損が生じているために、事前の想定よりも修繕に費用がかかるケースに注意しましょう。修繕費が予想以上に多くかかった場合、リノベーションの計画を縮小せざるを得なくなる可能性もあります。
1-3.将来を考えずにリノベーションすると後悔する可能性がある
現在の生活に合わせてリノベーションをした場合、時間が経つにつれて生活に住まいが合わなくなり、暮らしにくくなるケースがあることにも注意しなければなりません。
例えば、子供が小さい頃にリノベーションすると、思春期や反抗期を迎えた際に部屋の数や防音性などに問題が生じ、苦労する恐れがあります。子供が増えた場合には、部屋の数や収納スペースが足りなくなるケースもあるでしょう。
また、自分好みの個性的なリノベーションを行うと、将来的に住宅を売却したくなった際に売れづらくなるのも、中古住宅のリノベーションでよくある失敗例です。
1-4.古い建物は耐震性能や断熱性能が低い場合がある
中古住宅を購入する際には、築年数に注意する必要があります。建築基準の改正によって耐震性の基準が昔よりも上がっているため、古い物件は現在の耐震基準を満たしていないケースがあります。
耐震基準を満たしていない住宅を購入した場合、現在の耐震基準を満たすための追加工事が必要となり、費用が余計にかかってしまいます。
また、古い住宅を購入した後に、夏の蒸し暑さや冬の窓に発生する結露、隙間風の多さといった悩みを抱えるのもよくあるケースです。
1-5.入居までに時間がかかってしまう
住宅の購入に伴ってリノベーションを行う場合、入居前に大掛かりな工事をすることになるため、入居までに時間がかかります。
工事の期間はリノベーション内容によって異なりますが、完了するまでに3〜4か月程度かかるのが一般的です。工事が終わるまでは、現在の家に住み続けるか、仮住まいを用意する必要があります。特に現在住んでいる家の退去日が迫っている場合は、リノベーションのスケジュールに注意する必要があるでしょう。
1-6.建物によっては希望通りのリノベーションが難しい
中古住宅の構造によっては、希望通りのリノベーションが難しい点にも注意しなければなりません。
例えば鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合、間取り変更に制限があり、壁を壊すようなリノベーションはできない可能性があります。
そのため、間取りの変更を考えている場合は、それが可能な構造なのか事前に確認しておくと良いでしょう。
2.中古住宅のリノベーションに失敗しないためのポイント
住宅の購入は、人生における特に大きな買い物の1つであり、リノベーションに失敗してしまうと大きなショックを受ける方もいます。
中古住宅のリノベーションに失敗しないよう、大事なポイントを押さえ、細心の注意を払う必要があります。ここからは、中古住宅のリノベーションに失敗しないためのポイントを4つ紹介します。
2-1.リノベーションを前提にした物件選びをする
すべての物件がリノベーションに向いているわけではないため、あらかじめリノベーションをする前提で、物件選びを始めることが大切です。
リノベーションでは、壁や柱を撤去できる物件を選べば、自由度の高い間取りや内装に仕上げられます。
中古戸建て住宅の場合は「2×4工法」よりも「在来工法」のほうがリノベーションしやすい構造と言えます。中古住宅を選ぶ際には、必ず物件の構造をチェックしておきましょう。
また、物件選びの際には資金計画も合わせて行う必要があります。住宅を購入する際の費用と、リノベーションをするための費用の総額をきちんと把握し、予算オーバーにならないように細やかなプランを立てましょう。
2-2.耐震性能や断熱性能を満たすようにリノベーションする
中古住宅は基本的に基礎が古くなっており、リノベーションと同時に耐震リフォームが必要になります。また、中古住宅では壁に断熱材が埋められていないケースも多いです。中古住宅購入の際には、耐震性能や断熱性能が十分な物件を選ぶか、耐震工事・断熱工事をすることを前提に予算を組むとよいでしょう。
1981年に耐震基準は見直され、現在の基準へと変更されたため、それ以前に建てられた建物の耐震性能には特に注意が必要です。
ただし、新耐震基準となった後に建築された建物でも、リノベーションの際に耐震補強工事が必要になる場合があります。確かな耐震性能を獲得するには、住宅の状態をしっかりと把握し、適切なリノベーションを行いましょう。
2-3.住宅診断(ホームインスペクション)を事前に受ける
中古住宅には、外から見ただけでは分からない劣化や損傷が存在するケースもあります。そのため、事前に住宅診断(ホームインスペクション)を受けるのがおすすめです。
住宅診断とは、既存住宅状況調査技術者登録講習を修了した建築士が住宅の劣化状況や欠陥の有無、修繕費用の概算などを算出する検査を指します。住宅診断を事前に受けることで目には見えない劣化や損傷に気づきやすく、リノベーション費用も把握しやすくなるでしょう。
2-4.物件選びからリノベーションまで任せられる業者を選ぶ
中古住宅のリノベーションには、物件選び・部屋の設計・工事など、数多くの工程があります。別々の会社にそれぞれの工程を依頼すると、連携や調整が難しく、時間や手間がかかり、理想的なリノベーションが行えない可能性があります。
物件選びからリノベーションまでワンストップで丁寧に行ってくれる業者なら、希望に合ったリノベーションを実現しやすく、失敗も起こりにくくなります。中古住宅のリノベーションについて、何から始ればよいか分からない人や、なるべく効率的に進めたい人は、ワンストップリノベーション会社に相談するのも1つの手段です。
まとめ
リノベーションには予算オーバーの恐れや、将来を考えずにリノベーションすると後悔することもあります。古い住宅の場合、耐震性能や断熱性能が低くないか、リノベーションが構造の問題で難しくないか、などの確認が必要です。
リノベーションに適した物件を選んだり、住宅診断を事前に受けたりすれば、失敗のリスクを大きく減らせます。物件選びからリノベーションまで任せられる業者を選ぶことで、トータルサポートが期待でき、安心してリノベーションに取り組めるでしょう。
株式会社an cubeでは、お客様のご要望を丁寧にヒアリングし、すべての工程を責任をもって一気通貫で行っております。リノベーションをご検討の際にはぜひ一度ご相談ください。
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